ベトナムの平均年齢は31歳と、若い力溢れる国です。近年は約7%の経済成長を続けており、2019年の一人当たりGDPは前年比4.8%増加しています。ベトナムへの日系企業の進出も進んでおり、例を挙げると、2019年12月にユニクロホーチミン1号店がオープンすると、その人気は留まることを知らず、2020年3月にはハノイ店、さらに6月までにホーチミンに追加で2店舗がオープンしました。そんな購買力旺盛のベトナムへ、近年日本からの輸出額が増えているのが、ベビー用品、特に粉ミルクです。
日本からベトナムへの粉ミルク輸出額は、2011年の2億3,000万円から、2015年には25億円、さらに2018年には55億円と、7年間で約24倍に急増しました。ホーチミンやハノイを中心に、「Soc & Brothers」など、日本製ベビー食品や紙おむつ、衣料品などを取り揃える店舗があり、オンラインショップも展開されています。ローカルのスーパーマーケットにおいても、国内大手の「Vinamilk」製品のみならず、日本を含む外資系メーカーの粉ミルクも販売されるようになってきています。
ベトナムでは、2歳以下の子供がいる家庭は全世帯の約3割を占めます。女性の社会進出も進み、2019年のベトナム総労働人口に占める女性の割合は48.5%と、東南アジアで最も高い数値となっています。乳幼児の増加に加え、経済発展と女性の社会進出に伴う家庭の所得増加を受けて、マタニティー・ベビー用品市場は近年30~40%の成長を遂げています。自由に使えるお金が増えたら、まずは子供に安全で高品質なものを与えたいと思う親心は世界共通なのかもしれません。
ベトナムのお母さん、子供たちにとって「安心・安全・高品質」で、信頼できる日本製ベビー用品の市場規模が、今後ますます拡大していくことが期待されます。
シンガポール事務所所長補佐 薄田