シンガポール政府観光局(STB)は2017年8月25日、シンガポールの新ブランドスローガンを発表しました。新しいブランドスローガンは「Passion Made Pos-sible」。あらゆる”情熱”を持った取り組みが”可能性”を推進する原動力になる、という意図が込められています。
1965年に9.5万人だった来訪者数は、50年間で劇的に増加し2016年には1,640万人に達しました。シンガポール政府は、多くの雇用や多大な消費を生み出す観光産業を重要な産業として位置づけるとともに、さまざまなスローガンを発表してきました。
1994年には、「世界をシンガポールへ」「シンガポールを世界へ」の2つのスローガンから構成される「ツーリズムアンリミテッド」を発表し、シンガポールの観光産業における競争力強化と国外の観光資源の活用がうたわれました。
2010年には「Your Singapore」を発表。旅行形態が団体旅行から個人旅行へと変化してきた状況に対応するため、旅行者がそれぞれの趣向に合わせた「自分だけのシンガポール」を体験できるよう、インターネットを通じて旅行情報の提供を開始しました。
そして、今回の新しいスローガン「Passion Made Possible」。「モノ」消費から「コト」消費への変化を受けて、ストーリーテリングに重点を置いている点に特徴があります。地元の人の「物語」を通して、食べ物やショッピング、文化、仕事における情熱を感じてもらう映像が作成されました。また、シンガポール人が集まるフードコート”ホーカー”の食べ歩き旅行など、観光客により地元に根差した体験を提供できる旅行プランを今後、提案していく予定です。
新しいブランドスローガンが、シンガポールの観光産業にどのような効果を与えるのか、注目されます。
(シンガポール事務所所長補佐 倉田)