2022年11月15日(火)、クレアシンガポール事務所は、マレーシア北大学(Universiti Utara Malaysia)において、日本の地方自治セミナーを開催しました。
このセミナーは、当事務所職員の派遣元自治体におけるベストプラクティスについてのプレゼンテーションやディスカッションを通じて、日本とマレーシアの行政システム等への理解を深めるとともに、所員の英語能力の向上並びに国際的感覚の習得を目的としたものです。
今回のセミナーにご協力いただいたマレーシア北大学は、マレーシア北部のケダ州に位置し、タイ国境からほど近い場所にあります。経営学部、人文科学部、法・政治・国際学部から成る同大学には全体で約30,000人の学生が在籍しています。各国からの留学生も多いことから、構内には学生向けの寮のほか、運動場やテニスコート等の施設も整備されています。セミナーには、主に公共政策大学院(School of Government)から、学生約80名、教授・講師約10名に参加していただきました。
1 シンガポール事務所職員によるプレゼンテーションとマレーシア住宅・地方自治省担当者によるレクチャー
今回のセミナーでは、事前に大学から要望のあったテーマ「自治体におけるポストコロナの先進的な取組~日本とマレーシアの事例から~(原題:Empowering local governments through innovation in the post-pandemic era: Experiences from Japan and Malaysia)」に基づき、各所長補佐が派遣元における先進的な施策事例を紹介する形式にて実施しました。
当日は、次長によるクレアシンガポール事務所の事業説明の後、当事務所の所長補佐3名が「観光地におけるカーボンニュートラル」、「スタートアップ施策」、「スポーツ観光」をテーマに英語でプレゼンテーションを行いました。
マレーシアにおいて注目度の高いトピックを扱った他、参加者に問いかけを行うなど双方向的なセミナー構成を取り入れた発表者もあったことから、参加者は時々呼びかけに応答したり、クイズに答えたりしながら、熱心に、またときに楽しそうに聴講していたのが印象的でした。各プレゼンの後には学生や教員からの質問も積極的に行われ、日本の自治体の施策への高い関心がうかがえました。
クレアシンガポール職員によるプレゼンの後は、マレーシア住宅・地方自治省のハリマ氏によるマレーシアの地方自治制度と省の事業に関するレクチャーが行われ、職員はマレーシアにおける地方自治体の仕組みについて理解を深めました。
2 シンガポール事務所職員と学生によるグループディスカッション
午後はグループディスカッションが行われました。グループディスカッションは各テーブル5名程度の学生に対し1名のプレゼンター(所長補佐)が30分毎にローテーションする形式にて実施され、各プレゼンターは持参したパンフレットやノベルティグッズも活用しながらプレゼン内容に関する質問の回答や派遣元自治体の紹介を行いました。
学生の皆様に、普段接することのない日本の自治体職員から直接日本の地方について情報を得る機会を提供するとともに、各所長補佐にとっても、学生との交流を通じて派遣元の施策やマレーシアの若者の日本に対するイメージや大学事情等を学ぶ貴重な機会となり、大変有意義な時間を過ごすことができました。
3 今後の交流について
今回のセミナー実施に際し、大学側からは今後も継続的な交流を行っていきたいとの提案がありました。また、セミナー終了後には教員より日本の地方自治について学ぶ機会を得られたことに対する感謝と好意的なフィードバックが寄せられ、所員としても実りある事業となりました。
シンガポール事務所ではこのような活動を通して、今後も日本の自治体の取組や魅力を発信するとともに、所管国とのより一層のネットワークの構築と強化に努めてまいります。