旧正月(旧暦で大晦日から1月3日までの間、ベトナムでは「テト」と呼ばれ ています。)は昔から続く、ベトナムで最も重要な祝祭日となっています。
現代の日本人にはあまりなじみのない中国の旧正月ですが、ASEAN諸国の多くは 中国文化の影響を受けており、その代表がベトナムとシンガポールです。
テトは旧暦によって毎年変わりますが、2017年は1月28日(土)に新年を迎えます。また先月、ベトナム労働傷病兵社会省はテトに伴う休暇を、1月26日(木)から2月1日(水)までの7連休とすると発表しています。
元旦はテトの中でも一番大切な日で、この日初めての来客者が新年の幸運に影響を与えると考えられています。そのため多くのベトナム人は来客者をあらかじめ選び招待します。
また、通常はこの日に家族全員で祖父や祖母の家を訪問し、バインチュンという日本のちまきに似たベトナムの伝統料理を食しながら新年を祝い、子供たちにはお年玉が振るまわれます。
元旦に屋外を掃除しないこともテトの習慣です。ごみを掃くと新年の幸運も掃かれると信じられているからです。
このようにベトナム人にとって、テトは特別な日であるため、現地のお店や博 物館などは営業していないことが多いです。しかし、この時期にしか見られな いのがベトナム中部都市ダナンのフラワーロードです。ハノイやホーチミンに も大規模なフラワーロードが出来ますが、ハン川沿いのバクダン通りはテト期 間中多くの種類の花で埋め尽くされます。
また、ダナン周辺にはフエの歴史的建造物群やホイアン旧市街、ミーソン遺跡 の世界文化遺産がありますが、景観地であるため休まず営業されます。
テト期間中はベトナム中部を訪れて、普段と違った街の雰囲気を味わってはいかがで しょうか。
(シンガポール事務所所長補佐 松田)