2015年のシンガポールの国際会議開催件数は、アメリカ、韓国、ベルギーに次ぎ国別ランキングで世界第4位、都市別では世界第1位となっています。(Union of International Associations調べ)
なぜシンガポールはMICE開催地として世界的に高い評価を得ているのでしょうか。
シンガポールにおいては、海外からの民間投資の呼び込みによる成長戦略を国家的課題として掲げており、その一環として、通商産業省と政府観光局が中心となって、MICEの誘致に積極的に取り組んでいます。
シンガポールの特徴的な取り組みとしては、豊富なMICE誘致予算を背景とした高額な開催支援金を主催団体に支給(金額非公開)しているほか、政府系ウェブページ上でのイベント広告掲載といったサポートを行うなど、多彩な支援を実施していることが挙げられます。
また、日本でもよく知られているMarina Bay Sandsはシンガポールを代表する MICE施設の1つで、地下1階、地上4階、延床面積12万平方メートル(東京ドーム2.6個分)に2,000の展示場、250 の会議室を備えるなど、45,000 人以上を同時に収容できる大型施設です。さらに、アジア最大の8,000平方メートル以上の宴会場では、6,600人以上の規模の宴会の開催を可能にするほどの卓越したオペレーション能力がMICEの開催を支えています。加えて、空港からの優れた利便性、カジノやホテル、飲食・物販、エンターテイメントといったアフターコンベンション機能が充実していることもMICE開催地としての魅力を高めています。
MICEの誘致を巡っては国際間競争が激化する中で、グローバルニーズに適合するようなハード面での整備を政府主導で戦略的に実施しているだけでなく、ソフト面の支援を充実させていることで、シンガポールはMICE開催地としての国際的な地位を不動なものとしています。
(シンガポール事務所所長補佐 安田)