海外旅行に行った際、現地で観光地への交通手段やレストランの場所をスマートフォンで調べる方も多いと思います。そういった時に、無料のWi-Fiサービスを利用できる環境が整っていると、とても便利ですね。
シンガポールでは、政府主導により、空港や駅、ショッピングモール、飲食店、病院などの公共施設で無料Wi-Fiサービス「ワイヤレス@SG」を利用できる環境整備を進めています。2016年4月に情報通信省は、接続スポットを現在の2倍以上の2万か所まで増やし、年内には通信速度を現在の2倍(5メガビット)とすることを目指している計画を明らかにしました。
さらに、2016年5月にはセントーサ島で太陽光発電による野外のWi-Fi接続スポットへの電力供給の実用可能性を探る試験事業を実施することを発表しました。現在「ワイヤレス@SG」の接続スポットの大部分が屋内にありますが、これが成功すれば、将来的に屋外のスポットを拡大させ、サービス提供エリアを広げることが可能となります。
これに対して、日本の現状を見ますと、日本滞在中に困ったこととして、「無料公衆無線LAN環境が整備されていないこと」を挙げる外国人観光客は非常に多くいます。実際、多くの宿泊施設では、宿泊者以外には、無料Wi-Fiサービスの提供を行っていないという現状もあります。 昨年度は、訪日客数が2,000万人弱と過去最高を記録しましたが、この流れを継続させ、さらにより多くの方に日本を訪れていただくためにも、Wi-Fiサー ビスの環境整備は早急に取り組んでいかなければならない課題であると考えています。
(シンガポール事務所所長補佐 朽網)