1 東京パビリオン
2016年10月5日(水)から8日(土)にかけて、環境・省エネルギー分野で東南アジア最大級の展示会の1つである「国際グリーンテック・エコプロダクツ展示会(IGEM: International Greentech & Eco Products Exhibition & Conference Malaysia 2016)」がマレーシアのクアラルンプール・コンベンションセンターで開催され、東京都が東京パビリオンを出展しました。東京都が推進する多都市間の実務的協力事業「経済交流促進のプラットフォーム」の一環として、都内中小企業等東京のシーズとアジア市場とのマッチングの促進を目的に出展するもので、2014年、2015年に続き3度目の出展となります。当事務所は自治体の海外活動支援として東京パビリオンの運営支援を行いました。
2 構成団体
今回は、東京都水道局・東京水道サービス株式会社(共同出展)、下水道局・東京都下水道サービス株式会社(共同出展)、東京都立産業技術研究センター、首都大学東京、東京を拠点として活躍する、優れた技術や製品を持つ企業6社等で東京パビリオンが構成されました。
興味深かったのは、昨年度に引き続き出展した株式会社エコ・24が会場内ステージでマレーシアのバハン大学と共同研究等の協力関係に関する覚書を締結したことです。担当者に聞いたところ、アスベスト(石綿)に吹き付けて無害化できるエコベストという製品を昨年出展時に同企業が紹介した際にパハン州関係者との接点ができたことがきっかけとのことでした。パハン州もアスベストに関する問題を抱えているとのことで、今回の覚書締結により同企業の技術がパハン州の問題解決貢献につながることが期待されます。
3 今後への期待
東京都は、マレーシアをはじめ、アジア諸都市のニーズと東京が持つ技術を結びつけることで、都市に共通する課題の解決と相互のビジネスチャンス拡大を目指しています。今回の東京パビリオンでは、マレーシアが抱えている課題と東京都内中小企業の技術が結びつき、課題の解決へ向けて取り組もうとする過程に立ち会うことができました。自治体の取組みのみならず、企業が持っている優れた技術や知恵が都市課題を解決する選択肢の1つとなるよう、自治体と企業が同じ目線で連携する場が今後ますます増えていくことが期待されます。