11月5日(日)、長崎県副知事がシンガポールのIRとMICE施設の視察を行いました。クレアシンガポール事務所は訪問先への同行支援を行いました。各施設で入手した情報をお伝えします。
【リゾートワールドセントーサ(RWS)】
リゾートワールドセントーサでは、コンベンションセンター、S.E.A.アクアリウム、カジノを視察しました。昨年度1,640万人のシンガポール訪問観光客のうち、約3分の1がRWSを訪れており、シンガポールの観光に大きく寄与している施設であるといえます。ちなみにRWS内にホテルは6つありますが、稼働率はほぼ95%に近い状況であるそうです。
運営会社であるゲンティンシンガポールからは、「子どもから大人まで楽しめる“トータルデスティネーション”」であること、また「カジノだけでなく様々な楽しみ方が一つの施設内でできる“オール・イン・ワン”」であることをキーワードとしていると説明がありました。
コンベンションセンターには2,000㎡+2,000㎡+2,000㎡の施設があり、コンサートなら6,000人、バンケットスタイルであれば4,000人ほど入る構造となっています。また、RWSはMICE機能のなかでも特に“M”(Meeting)と“I”(Incentive)の部分に力を入れており、特にIncentiveについては“オール・イン・ワン”の施設の強みを生かし、社員旅行で社員が家族を連れてきても喜んでいただけるという説明がありました。
またRWSは12,000人の雇用を持つシンガポール最大の雇用者ですが、そのうち約半数はシンガポール国民を雇用しており、国民の雇用の確保にも貢献しています。日本でIRを推進する際にも、訪日観光客をターゲットにした戦略の推進だけでなく、自国民また地域住民への様々なケアが必要になりますが、RWSがそういった課題を見事にクリアしている一例といえます。
【サンテックシンガポール】
サンテックシティモールの総面積約10万㎡のうち、およそ42,000㎡がコンベンションセンターの面積に該当します。入口にある大型スクリーンは55インチのものを664枚合わせたもので、コンベンションセンターのスクリーンとしては世界一の大きさであるとの説明がありました。
6Fのコンベンションエリアには2,000㎡の会議室が合計で6つあり、平日は会議利用、週末はキリスト教系宗教団体の集会スペースとして利用され、顧客を安定的に確保しています。また4Fも6Fと同サイズの会議室フロアですが、今回はバックヤードの搬入スペースを視察しました。コンテナを載せたトラックが1Fから直接アクセスできるようになっており、荷物を都度リフトで輸送する必要はありません。
また施設全体として9m置きにフリーWi-Fiが整備されておりますが、Wi-Fiを利用している人の数がどこに多いかなどをオンタイムで視覚的に把握できるシステムがあり、各施設への入場者の計測や清掃場所の重点化に努めているとのことです。
【マリーナベイサンズ(MBS)】
マリーナベイサンズでは、コンベンションセンター、Expo、アートサイエンスミュージアム、カジノ、そしてサンズスカイパークを視察しました。コンベンションセンターには250の会議室があり、2,000ブースの見本市にも対応可能であると説明がありました。またExpoは、通常展示会やボクシングなどのイベントに使用されますが、MBS全体で大きなイベントがある際には駐車場としても活用されるそうです。MBSは施設下に地下鉄が通っていることなどから車での来場者はそれほど多くなく、施設全体の駐車可能台数は2,280台とのことでした。