シンガポールは赤道直下の常夏の国ですが、日本では秋になり、一番過ごしやすくなっているころでしょうか。
秋といえば、なんといっても食欲の秋!日本の豊かな自然の恵みに感謝し、お腹いっぱい秋の味覚を楽しんでいることかと思います。
シンガポールでも日本の秋の味覚は、いろいろなスーパーやレストランで楽しむことができます。今回は、明治屋シンガポールで行われていた秋の収穫祭の中で、岡山県がぶどうの試食販売を行った際の模様をご紹介します。
1 明治屋での岡山県産ぶどうの試食販売
9/29(金)から10/8(日)まで、明治屋で秋の収穫祭フェアが行われました。このフェアでは、高知県産のゆずを使ったジュースやアイスなどの試食販売や地方の地酒の試飲販売がされており、岡山県も週末には自慢のぶどうの試食販売を行いました。
岡山県が試食販売したぶどうは、ピオーネ(濃厚な甘さはあるが、皮に渋みがある)、瀬戸ジャイアンツ(甘さは控えめだが、パリッとした食感)、シャインマスカット(非常に甘く酸味が少ない)の3種類です。日本人は、シャインマスカットの甘さよりも、瀬戸ジャイアンツの食感やさっぱりとした味を好む方が多いのに対して、現地や欧米系の方にはシャインマスカットが圧倒的に人気でした。
試食の感想では「Tasty!」「Sweet!」といった声に加え、「Beautiful!!」と評価する方もいて、2日間とも用意した試食が夕方には無くなり、味の良さ、品質の良さを改めて再確認できました。
肝心の販売についてですが、高価だということもあり、何粒も試食した上、購入するぶどうが本当に試食のものと同程度の品質(甘さ)であるかどうかを確認するなど、熟慮ののちに購入されていたという印象でした。
また、シンガポールでは日本産は高品質という認識は十分広まっていますが、残念ながら岡山県に対する認知度はまだまだ低く、必然的に岡山県産の農産物などに対する関心も低い様子でした。まずは岡山県そのものをアピールし、認識していただく必要性があると感じました。
2 シンガポール市場調査等
週末の明治屋での試食販売後、10/2(月)、10/3(火)と岡山県産のぶどうの輸出拡大の可能性を探るため、シンガポールの市場調査や関係機関との意見交換を行いました。
市場調査では、日本産商品を取り扱っているスーパー「EMPORIUM食品」などに行き、積極的にシンガポール市場を開拓している愛媛県や沖縄県の農水産物の視察を行いました。
また、JETROシンガポール事務所などの関係機関と意見交換を行いました。韓国産のぶどうも質が向上しており、価格も安いので、これから脅威になってくると思われることや、日持ちさせる工夫が重要であるといった意見を伺いました。さらには日本産の中でも、岡山県産の特徴がどういったものであるかアピールしていかなければ、差別化は難しいとの意見も聞かれました。
市場調査や関係機関との意見交換を通じても、試食販売と同様、岡山県、岡山県産のアピールと輸出拡大に向けたターゲット層の明確化などの戦略が重要であることを再認識することができた有意義なものとなりました。
ぜひ、今回の経験が将来の岡山県の輸出拡大の戦略に活かされることを期待されます。