フィリピンJETの帰国報告会と同窓会組織JETAAの設立

1 フィリピンJETの帰国報告会

2018年11月23日、フィリピンのマニラ市内でフィリピンJETプログラム参加者(以下「JET」と言う。)の帰国報告会が開催されました。在フィリピン日本国大使館、フィリピン政府や教育関係者、日系機関、企業の方々が集まり、今年帰国した4名のJETを歓迎しました。当日、報告会に参加した4名のうち、代表としてデブラ・カリーニョさんとカルロ・マラシガンさんの2名が日本でのJETとしての取組を報告しました。
2014年から4年間、埼玉県の高校に勤務したデブラ・カリーニョさんは、学校でのスポーツ大会や英語クラブでの活動の様子を紹介し、一緒に過ごした生徒や同僚について話しました。また、日本のいろいろな地域を知りたいと赴任中に訪れた地域を紹介し、最後は自分の勤務した埼玉県の美しい写真を示し、ぜひ埼玉県に来てくださいと語りました。帰国したJETは、地元を良く知る知日外国人として地域をPRしてくれることが期待できます。また、福井県小浜市で2016年から2年間勤務したカルロ・マラシガンさんは、小さな町で珍しい外国人として暮らし、多くの人と出会えた体験を語りました。

2 JET帰国者の同窓会、JETAAの設立

同日、帰国報告会の前に、JET帰国者の同窓会組織であるJET Alumni Association、通称「JETAA」のフィリピン支部の設立総会が開催されました。今年9月にJETAAが設立されたインドネシアに次ぎ、世界で55番目のJETAA支部となります。会長には、帰国報告をしたカルロ・マラシガンさんが選出され、今年帰国した4名と以前の帰国者2名を合わせて6名でのスタートとなりました。日本には現在88名のフィリピンJET参加者がおり、今後帰国者は急激に増えていくことが見込まれます。
会長のマラシガンさんはJETAA設立に当たっての挨拶で、「帰国したフィリピンJETの活動拠点として、フィリピンと日本とをつなぐ架け橋となる活動をしていきたい」と宣言しました。今後フィリピン支部は、新しく日本に旅立つJET参加者のサポートや、帰国者同士の交流を促進し、将来的には日本の文化や地域を発信していく活動を予定しています。

3 フィリピンの大学におけるJETプログラムの広報

クレアシンガポール事務所は大使館と協力して、フィリピン国内の3校の大学を訪問し、JETプログラムの広報活動を行いました。いずれの大学も100年以上の歴史を有し、フィリピン国内でトップクラスの大学です。各大学においてJETプログラムの説明をし、元JET参加者も日本での生活について語りました。元JETのカリーニョさんは、日本での生活のヒントとして“Every Situation is Different”「その時その時で状況は異なる」という言葉を使い、その違う環境を受け入れるオープンな気持ちが大切だと説明しました。
応募を希望する学生には、教員を目指す人も多く、優秀な人材がフィリピンから参加しています。高い能力だけではなく、陽気で親しみやすいフィリピン人の人柄も、生徒や先生から受け入れられ高い評価を得ている理由かもしれません。
今後もJETAAからのサポートを受けた優秀なフィリピンJETを送り出し、彼らが日本各地で活躍することが期待されます。

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