日本政府観光局(JNTO)によると、2016年のインドネシアから日本への旅行者数は約27万人と過去最高を記録し、前年比32.1%の増加を見せています。
2億5,000万人の人口を有する親日国インドネシアでは、堅調な経済成長を受け、一人あたりGDPもここ10年で約3倍の3,605米ドルになるなど都市部を中心に所得レベル、生活水準は着実に高まっています。こうしたことを背景として、今がインバウンド観光誘客の旬といえるインドネシア市場で2017年3月3日(金)から5日(日)にジャカルタのショッピングモールで一般消費者向け旅行フェア「Japan Travel Fair」が開催されました。自治体国際化協会シンガポール事務所は、JNTOジャカルタ事務所と連携して、ビジット・ジャパン・カウンターで訪日観光PRを行いました。
今回は、9月の「Japan Travel Fair」と同様のジャカルタ南部の富裕層、中間層が多く利用するショッピングモールで開催されました。来場者の特徴としては、旅行代理店エリアでプロモーションの航空券をまず購入してから、ビジット・ジャパン・カウンターを訪れ、旅行行程に関して情報収集を行い、中身の詳細について相談する一般消費者が大勢見受けられたことです。
また、相談を受けた旅行先としては、東京、大阪、京都が多く、特徴としては「東京と河口湖」、「大阪と飛騨高山(岐阜)」のように、「東京(大阪、京都)+1」という行程を検討している方が多かったことが挙げられます。このほか、来場者からは、空港からのアクセスや移動手段、JRパス、雪や桜、花の見ごろなどに関する質問が多かったです。更に、この時期の大きな特徴としては、3月末から4月の桜シーズンとラマダン(断食月)明けのレバラン休暇に訪日旅行を予定している方が大勢来場されるということです。
こうしたことから、3月のインドネシアで開催される旅行フェアに参加される場合には、桜シーズンとレバラン休暇の時期におすすめの観光スポット、モデルコースなど事前にまとめておき、域内の交通手段だけでなく、東京や大阪、京都などからのアクセスなど、今のインドネシア市場で求められる情報を来場者に素早く提供できるようにすることが成功のカギと言えます。
フェア開催中に実施しているアンケートによれば、訪日旅行商品購入者に占めるムスリムの割合は昨年の2割から、今回が3割となり、高まっていることがわかります。インドネシアは世界一のムスリム人口を抱えており、ムスリムの訪日旅行者数の増は同国での訪日インバウンドのマーケットの広がりを意味します。今回のフェアでは、訪日旅行商品の売上げが過去最高額を更新するなど、堅調な経済成長による所得の増加を背景に、訪日インバウンド市場がますます成長していることを実感できました。ゴールデンルート以外の地域も旅行先として徐々に注目を集めてきているインドネシアで「大都市+1」の売り込みが今の旬と言えます。
当事務所では、引き続きJNTOと連携しながらインドネシアの訪日旅行に関する情報を収集するとともに、最新の動向を注視していきます。
概要 | インドネシアからの訪日旅行者を更に増大させるため、ジャカルタのショッピングモールにて旅行フェアを開催。現地旅行社が訪日旅行商品の販売を行うほか、日本の地方自治体等共同出展者が多様な観光魅力、日本情報を発信。 |
会期 | 2017年3月3日(金)~5日(日) 10:00~22:00 |
開催場所 | コタカサブランカ・モール 1階
ジャカルタ南部に位置し、スカルノ・ハッタ国際空港から車で約1時間15分の距離にある富裕層、中間層向けショッピングモール。 |
主催 | 日本政府観光局(JNTO) |
対象 | 一般消費者 |
入場料 | 無料 |
来場者数 | 約47,000人(3日間合計推計値) 前回(2016年9月)開催時:約48,000人 ※来場者数は減となったものの、日本行き航空券の購入者数が約5,200人と前回の訳3,000人から大幅に増加するなど、訪日旅行商品は過去最高を記録 ※コタカサブランカ・モール来場者数平日平均 約16万人、休日平均 約18万人 |
出展団体数 | 日本側出展団体16団体、現地旅行会社20社、航空会社5社 |
年次 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
訪日外客数 | 136,797人 | 158,739人 | 205,083人 | 271,000人 |
前年比増加率 | +34.8% | +16.0% | +29.2% | +32.1% |