シンガポールの小中学校は、毎年1月に新年度が始まり、4つの学期(term)に分かれています。各学期は10週間からなり、それぞれの学期の間には休暇期間が設けられています。実は、シンガポールには日本のような四季がないため、夏休みや冬休みといった考え方はありません。その代わりに中間にあたる第2学期と第3学期の間に4週間(5月下旬~6月)、1年の終わりには6週間(11月下旬~12月)、その他の各学期の間には1週間のまとまった休暇期間があります。
それでは、その長期休暇中、シンガポールのこどもたちはどのように過ごしているのでしょうか。
観光大国シンガポールには、今年キッザニアがオープンしたリゾート地のセントーサ島やシンガポールで初めて世界遺産となったボタニックガーデンあるいはナイトサファリなどファミリーで楽しめる場所は数多くあります。しかしながら、東京23区ほどの面積しかないシンガポールですので、こどもたちはきっとそういった名所には既に何度も足を運んでいることでしょう。
ここで興味深いデータがあります。シンガポール入国管理局(ICA)によれば、2015年の出国者数は延べ9百万人以上となっており、これはシンガポール国民一人当たり年間約3回国外旅行をしている計算になります。そして、そのピークは6月と 12月となっており、見事に小中学校の長期休暇の時期と重なっています。
多民族、多文化社会のシンガポールですが、このように国内外でこどもの頃から異国の文化や価値観に触れることにより、優れた国際感覚が養われていくのかもしれません。
(シンガポール事務所所長補佐 飛岡)