シンガポール政府の統計によると、理工系分野で働く者に占める女性の割合が、2014年に29%になりました。2004年の23.5%、2009年の26.5%から、順調に女性の割合が増えており、科学者やエンジニア10人のうちほぼ3人が女性になります。
また、大学の理工系コースの女性卒業者数は、2004年の4,438人から2014年には9,516人へと、2倍以上に増えています。
これらの背景として、大学での理工系コースの増加や産業の多様化、奨学金制度の拡充やシンガポール人学生の海外の大学・大学院での研究支援など、政府が理工系分野の専門家育成に力を入れていることが考えられています。
なお、シンガポール国立大学では、理工系のコースを卒業する生徒の約4割が女性で、南洋理工大学の学部生の女性もほぼ同じ割合です。大学院生のうち女性の割合は、3割にとどまっていますが、科学分野の大学院生の女性数は2010年から3倍に増えています。
知識集約型経済を推進するシンガポールでは、男女を問わず科学や理工系分野で活躍する人材が増加しており、今後さらに「リケジョ」が増えていくことも期待されています。
(シンガポール事務所調査役 徳永)