在シンガポール日本大使館の調査によると、2015年6月現在、シンガポールには日本食レストランが1,105店舗あります。また、シンガポール統計局の調査ではシンガポール国内に飲食店が約6,800店舗あるとなっていますので、約6店舗に1店舗が日本食レストランである計算となり、日本食の人気ぶりがうかがえます。このような日本食人気の中、「日本食に合うのは日本酒」という認識も広がりを見せつつあり、日本酒の輸入量は増加傾向にあります。
シンガポールは年間平均気温が26~27度の暑い国ですので、淡麗な味の吟醸酒等の冷酒が喜ばれているようです。ただ、まだ日本酒の種類や飲み方、銘柄までは理解が広がっていないため、販売員がいる日系デパート等で説明しながら売り込むことが重要です。シンガポールの伊勢丹では食品売り場に日本酒を有料でテイスティングできるバーカウンターを設置しています。
シンガポールでの輸入時に関税はかかりませんが、アルコール度数に応じた物品税が課されます。例えば、アルコール度数15%の日本酒1升の場合、約2,000円の物品税が課税され、さらに流通コストもかかるため、一般に小売価格が日本の約3倍になると言われています。
2014年に世界保健機関(WHO)が行った「アルコールと健康に関する調査」によると、シンガポールの人口一人当たりの年間飲酒量は日本の3分の1に満たない量でした。また、シンガポールの保健当局の調査では、週に1回以上お酒を飲む人の割合は人口の約1割のみとなっています。
このように日本に比べて飲酒の習慣が少ない国民性ですが、同時に若年層を中心にお酒を飲む人が増えてきていることも同じ調査で分かっています。
(シンガポール事務所 加藤所長補佐)