クレアシンガポール事務所は2017年2月19日から25日にかけてベトナム・ダナン市の要請により、自治体国際協力専門家派遣事業を実施しました。
自治体国際協力専門家派遣事業は、日本の地方自治体と海外の地方自治体の友好協力関係を強化するため、日本の自治体職員を現地に派遣し、講義や実技を通して日本の地方自治体が持つ行政のノウハウを伝える事業です。
在ベトナム日本国大使館とベトナム社会主義共和国教育訓練省が日本語教育の普及と充実を目指して協力し、2016年9月からハノイ市内4校とホーチミン市内1校で小学校3年生への日本語教育クラスが開講されることとなりました。初等教育段階で日本語教育を導入したのは、東南アジアではベトナムが初めてのケースとなります。そのような取組みもあり、現在ベトナムでは、約4万6千人が日本語を学んでいます。
そのような中、ダナン市から職員への日本語指導及びダナン外国語大学での教員と学生への日本語の講義などの要望があり、長崎県立諫早高等学校から国語の教諭である沖島氏を派遣することとなりました。
その昔「朱印船」に乗ってベトナムとも交易を行っていた商人の荒木宗太郎がベトナムの王女のアニオ―と結婚して長崎に移り住み、そのまま生涯をともにしました。そのようなゆかりがあることから、長崎県とベトナムは400年以上前から交流を続けています。専門家は、日本語の指導のみならず、日本とベトナムの交流の歴史、長崎県とベトナムの交流の歴史を学べる講義を実施しました。また、けん玉、独楽、百人一首などの実際の体験を通じた日本の伝統文化の紹介も行いました。ダナン市外務局長及びダナン外国語大学日本語学部長はともに、長崎県からの専門家にとても感謝され、今後も長崎県とより交流を強化していきたい旨の発言がありました。
自治体国際協力専門家派遣事業では、2016年度は日本語教育のみならず、マレーシア、タイ、インドに社会福祉、保健衛生、環境保全の専門家も派遣しています。同事業は、国際貢献のみならず、自治体のPRにもなり、自治体間の新たな交流、既存の交流の強化につながります。日本の各自治体の皆さまにおかれましては、ぜひ同事業をご活用ください。
自治体国際協力専門家派遣の詳細についてはこちら↓
http://www.clair.or.jp/j/cooperation/special/index.html
(梅澤所長補佐 長崎市派遣)