クレアシンガポール事務所では、2013年7月9日(火)から7月10日(水)まで、「シンガポール政策研修プログラム(観光戦略と海外販路拡大)」を実施しました。
この事業は、先進的な施策で日本の自治体の注目を集めるシンガポールにおいて、自治体における施策の企画立案等に直結するテーマに特化して日系政府機関、現地政府機関、現地企業等を訪問し、視察や意見交換等を行うことにより、地方自治体における政策の企画立案に必要な知識を習得する事を目的に実施するものです。
昨年度、「地域間交流促進プログラム」として、ASEANの中でも特に注目度の高いシンガポール、インドネシア両国で研修事業を実施したところ、特に、シンガポールの先進的な政策や視察・意見交換に対する参加者からの評価が高かった事を受け、より自治体の皆様方にとって自由度の高い行程に改め、新たに(1)観光戦略と海外販路拡大コース、(2)持続可能な都市コースを実施するものです。
今回は、観光戦略と海外販路拡大コース研修終了後の報告書を発行するにあたり、以下に概要を紹介します。
面積710㎢と東京23区程の国土に、福岡県と同程度の人口約530万人が住むシンガポールの国家システムは、日本の自治体の施策に参考となる点も多く、ここ最近の自治体からの年間訪問者数は、シンガポール事務所へ支援依頼があったものだけでも、年間で100件以上を数えます。特に近年自治体の活動が活発になっているのが、訪日観光客の誘客や地域産品の販路拡大のためのプロモーション活動です。
今回は、年間1,400万人を集める観光客の誘致施策で日本のみならず世界中から注目を集めるシンガポールの観光政策について理解するとともに、訪日旅行者の誘客や地域産品の販路開拓のためのヒントを得るためのエッセンスを凝縮したプログラム構成としました。
現地では、観光政策に関するブリーフィングや統合リゾート視察のほか、旅行エージェントへの訪問、現地小売店の視察、当地に駐在員事務所を設置する自治体関係者から県産品の販路拡大などに向けた活動の聞き取り等、海外研修ならではの要素が満載のプログラムとなりました。
(1)シンガポールの観光政策
・年間1,400万人を誘致する観光政策のアプローチ、アジアの近隣国の成長を見据えた事業展開とは?
・世界中から観光客を集めるリゾートワールドセントーサの集客戦略とは?
・世界の注目を集めシンガポールのランドマークとなったマリーナベイサンズ
(2)訪日旅行者の誘客
・東南アジアからの誘客を促進するための効果的な取組とは?
・現地旅行会社の視点から見た“日本への観光客増加に向けた提言”
(3)地域産品の海外販路開拓
・シンガポールにおける日本食市場の可能性とは?
・中小企業と一体となって東南アジアの最前線で活躍する福岡銀行シンガポール駐在員事務所の活動から見える現地での活動のヒントとは?
・自治体事務所設立から17年を迎え、シンガポールのスーパーや有名カフェに人気商品として並ぶ高知の逸品と活路を見いだした戦略とは?
・1972年からシンガポール初の日系百貨店として店舗展開する伊勢丹の担当者から見た日本食の販路拡大策とは?
・シンガポールで110年の歴史を持つ、ローカルスーパーにおける日本食品の位置づけを理解し、販路拡大のアプローチを考える。
(仲田所長補佐 堺市派遣)