10月6日(金)~8日(日)までの3日間、高島屋シンガポールにてJNTO主催の旅行博「Japan Travel Fair 2017」が開催されました。今回シンガポール事務所は、JNTOブース等において観光PRを実施しましたので、その様子を報告します。
■ Japan Travel Fair 2017 の概要
会期 | 2017年10月6日(金)~8日(日) 10:00-22:00 |
開催場所 | 高島屋シンガポール地下2階 高島屋スクエア |
主催 | 日本政府観光局(JNTO) |
対象 | 一般消費者 |
入場料 | 無料 |
開催規模 |
日本側出展者 16社/団体、シンガポール現地旅行会社 12社 ※自治体関係の出展者 |
3日間とも訪日旅行情報を求める来場者であふれ、日本への関心の高さが感じられました。
人気のエリアは関西(大阪・京都)、北海道、東京、九州といったところで、シンガポールとの直行便がこの秋に就航する広島、沖縄も人気を博していました。また、個別の地名では白川郷の名前がよく出てきました。
一定のエリア内で地方都市を含めて1~2週間で周遊する予定の来場者が多く、目的地間の移動手段や距離、所要時間に関する問い合わせが多く寄せられました。このような方々には、広域地図がついているものや電車やバスの路線図、時刻表などの詳細情報が載っている観光パンフレットの評判が高かったです。シンガポールでの観光プロモーションにおいては、広域で連携した売り込みが重要であると改めて感じました。
クレアでは、自治体からの依頼に基づき旅行博のブース運営支援なども可能な範囲で行っています。今回は群馬県、広島県及び超広域観光ビジット3連絡会議(札幌市、松本市、鹿児島市)のブースを支援しました。
群馬県は「温泉」と「スノーリゾート」をテーマにPRを行いました。
群馬県には雪質の良いスノーリゾートが多くありますが、シンガポールでの認知度はまだあまり高くありません。
来場者の多くは12月にスキーや雪遊びを予定しており、北海道や長野といった有名なスノーリゾートを検討していましたが、群馬県には東京から近く、気軽に行けるスノーリゾートがあるという説明に対してとても興味を持っていただくことができました。また、一緒に温泉やフルーツ狩り、伝統文化体験といったアクティビティを紹介し、都会ではできない楽しみ方を提案しました。
実際のところ群馬県を知っている来場者は少なく、「群馬県はどこか?」「おすすめは何か?」といった質問が多く出ました。
東京駅からのアクセスも新幹線で50分という、東京観光と合わせて気軽に楽しむことのできる場所と知ると、実際に旅行先として検討するという来場者もいらっしゃいました。東京への近さ+魅力的なアクティビティで群馬県の認知度向上につながったのではと思います。
広島県は、10月30日(月)からシルクエアーによるシンガポール・広島間の直行便の就航にあわせ、シルクエアーと共同でブースを出展しました。
ブースを訪問された方の中には、すでに広島行きの航空券を購入されている方もおられ、広島県内の観光スポットを熱心に聞いて旅行プランを検討されていました。
また、来場者からは、広島県内だけでなく周辺の山陽・山陰・四国エリアの観光スポットを聞かれることもあり、広域エリアでの情報発信の必要性を感じました。
広島県内の人気スポットは、宮島・厳島神社で広島空港からのアクセス方法や所要時間、Japan Rail Passの利用範囲などを聞かれることがありました。
山陽・山陰・四国エリアは、これまでシンガポール人にとって旅行先としての認知度も高くなかったと思われますが、このたびの広島空港への直行便の就航を契機に、広島県をはじめとした山陽・山陰・四国エリアへの観光誘客が期待されます。
(超広域観光ビジット3連絡会議(札幌市、松本市、鹿児島市))
札幌市・松本市・鹿児島市の3市によって組織される「超広域観光ビジット3連絡会議(※)」が初めて共同でブースを出展しました。
ブースの目玉は、空路(一部新幹線を含む)を利用した「超広域周遊旅行」のPRです。この周遊旅行には、北日本・中部・九州にある3市が連携し、バリエーションに富んだ魅力的な新観光ルートを地方から提案したいという思いが込められています。
結果として、周遊旅行の提案はシンガポールとのアクセス(直行・経由便が就航しているのは札幌市のみ)や3市間の移動時間・距離・料金の点から苦戦しましたが、1つのブースで3市の見どころ・地域性を比較しながら紹介できる点では大変効果がありました。松本市の「雪の回廊」(乗鞍高原)の写真を見た来場者からは「雪と言えば北海道と思っていたけれど、松本市の『雪の回廊』はぜひ見てみたい」といった感想もいただきました。
空路を利用した周遊旅行は現在のところチャレンジ段階と思われますが、3市とともにシンガポールからの観光誘客に取り組む地方都市の連携の輪がさらに広がり、シンガポールとのアクセスや国内移動の負担を改善させた旅行プランの提案ができれば、一層魅力的な観光ルートとなるでしょう。
(※超広域観光ビジット3連絡会議:観光・文化交流協定を締結している札幌市・松本市・鹿児島市によって組織。事務局は松本市。)
(中澤所長補佐 群馬県派遣)
(古谷所長補佐 山口市派遣)
(中山所長補佐 札幌市派遣)
(上玉利所長補佐 鹿児島市派遣)