日本のアニメや漫画は世界でも高い評価を受け、若い世代を中心に非常に人気がありますが、ここ東南アジアも例外ではなく、年々その人気は高まるばかりで、多くの国でコスプレやアニメのイベントが開催されています。我々クレアシンガポール事務所は本年度から、この人気をインバウンド獲得につなげるべく、C3AFAシンガポールでブース出展を行い、東南アジアのアニメ好きな若者をターゲットに、日本の地方の魅力を発信する予定です。
C3AFAは、今年度2月に香港、8月に東京、9月にジャカルタ(インドネシア)で行われ、11月30日(金)~12月2日(日)にシンガポールで行われます。このシンガポールでのクレアブース出展の参考とするため、今回ジャカルタでのC3AFAを視察してきましたので報告します。
C3AFAというイベントは、それまでC3イベント(CULTURAL CONVENTION OF CHARACTERS:ガレージキットやキャラクターグッズの総合イベント)、AFAイベント(Anime Festival Asia:東南アジアで開催されるアニメイベント)とそれぞれ開催されていたものが、2017年から統合されたイベントです。
東南アジアではジャカルタ、シンガポールの他、昨年はバンコクでも開催され、最大規模のシンガポールでは約10万人が来場されました。
今回視察したC3AFAジャカルタも昨年は5万人以上の来場者があり、今年も同程度が来場されているとのことでした。確かに開場前から長蛇の列で、開場と同時に目当てのブースに向かって来場者が足を運んでおりました。
人気のあるブースは、アニメキャラクターのフィギュアやポスターなどを販売しているブースで、決して安くないと思われる商品を友人などと楽しそうに相談しながら購入されていました。さらにスタッフがコスプレしているブースでは、来場者との記念写真の撮影も行われていました。その他、ゲーム体験コーナーでは、通常のゲームコントローラーを操作してのゲームだけでなく、バーチャルリアリティーの装置を付け、手や腕にセンサーのついたコントローラーを振り回し、迫ってくるブロックを剣で壊していく近未来的なゲームもあり、こちらも多くの来場者が順番待ちをしていました。
また、アニメ関連イベントの特色として、コスプレをして来場される方が多くいるということが挙げられます。旅行博などのイベントではあまり見ない風景ですが、非常に凝った衣装のコスプレをしている来場者も多く、その方達をさらに他の来場者が写真を撮ったり一緒に撮影するなど、スタッフなのか来場者なのか区別がつかない状態になるほど盛り上がっていました。
我々がC3AFAシンガポールのブース出展で目指すのは、地方の魅力を発信し、訪日インバウンドへつなげることであり、そのためのヒントとなるものはないかを探しながら会場を歩き回りました。
今回のC3AFAジャカルタでは、自治体からの出展はありませんでしたが、日本の風景をCGで合成した写真が撮れるブースなども人気があり、潜在的な日本への興味は必ずあると感じました。主催者などから話を聞いても、日本のアニメや漫画などに興味のある層は、当然日本に興味もあるし、日本に行って、色々な体験をしたいと考えているとのことでした。その体験とは、アニメや漫画の舞台となっている地域を見て回ることが第一に挙げられ、それらはまさにインバウンドに直接的につながっていきます。ただ、それだけではなく、アニメや漫画に出てくる料理(例えば、タコ焼きやパフェなど)を食べたり、満員電車やメイドカフェを体験したいなど、日本ではどこでも体験しやすい(ただし日本以外ではあまり体験できない)ことも、十分魅力的な体験といえるようです。
このように有名なアニメや漫画の舞台となっていないからといって、これらに興味のある層に関心を持ってもらえないわけではなさそうで、また、いくらアニメや漫画に関心があるからといってそれだけのために日本に行く人は限られており、やはり通常の観光なども含めて、日本に行きたいと思っていると思います。今ある各地方のコンテンツに加え、アニメや漫画を絡めたPRを行うことで、新たな「東南アジアのアニメ好きな若者」をターゲットとして訪日需要を喚起することは可能性が十分ありそうだと感じました。
これらの層は、圧倒的に若者が多く、購買力が今すぐあるというわけではないかもしれませんが、フィギュアなどかなり高価な商品であっても欲しければ、他のことを節約してでも購入しているようです。日本へ旅行することで自分たちのやりたいことが実現するなら、きっと行こうと思うはずです。また、すぐにではなくても、これから将来海外旅行する際の候補地として検討してくれるはずです。
今回の視察により、シンガポールでのC3AFAのブース出展で訪日インバウンドのため、地方の魅力を発信することは、必ず可能性があると感じました。
我々のブースでは今回、日本から兵庫県、長野県上田市、福岡県北九州市の3自治体に来てもらい、それぞれの地域の魅力を中心にPRしていく予定です。各地方の自治体を1つのブースでPRするというのは、クレアならではであり、各自治体に相乗効果が生まれるよう様々なアイディアを練っているところです。
この結果についても、またイベント終了後には報告しますので、楽しみにしていてください!!