原稿を書いている時点では、世界最大の祭典サッカーW杯の直前で、各国代表選手が発表されるなど盛り上がっていますが、シンガポールでもサッカーは大変人気の高いスポーツで、プロリーグも存在します。このプロリーグで現在2年連続優勝、今年も首位を独走中なのがアルビレックス新潟シンガポールです。その名のとおり、Jリーグに所属するアルビレックス新潟の下部組織で、2004年から参戦しています。
シンガポールのプロリーグでは、シンガポール人のレベルアップを図るため、全所属選手が外国人で構成されたチームの参加を認めるなど、実験的な取り組みを積極的に試すシンガポールらしさが表れています。アルビレックス新潟ではシンガポールのプロリーグへの参戦を自チームに限らず日本の若手選手の育成機会と捉え、毎年どんどん選手を入れ替え、多くの若者に海外での貴重な経験を積ませています。若手選手にとっては試合だけでなく、海外で生活することで、人間として成長するチャンスとなるはずです。スタジアムでは、シンガポールに駐在する日本人ももちろん多く応援していま すが、熱心に応援しているシンガポール人の姿も見ることができます。これは、アルビレックス新潟シンガポールが、地域のイベントへの参加や小中学生とその家族をスタジアムへ招待するなどの地道な活動の成果だと思われます。
また、アルビ米という新潟産こしひかりを販売していたり、シンガポールに進出している新潟の企業がスポンサーになるなど、新潟ブランドの浸透を図り、地域貢献にも一役かっています。 日本の地方をアピールする一つの方法としてもしっかりと定着しており、今後 ますます交流が進むことが期待されます。
シンガポール事務所 所長補佐 藤田