2019年2月13日(水)から17日(日)までにかけて行われたタイでの旅行博「Thai International Travel Fair #24(第24回TITF)」において、出展した岡山県、栃木県のブース従事の活動支援をクレアシンガポール事務所で行いましたので、その様子をご報告します。
海外からの旅行者を誘客するために岡山県では、近年の旅行博において、中国地域観光推進協議会と仕切りを取り払ったブースを隣り合わせ、背面のカラーを統一するなど、広域での連携を重視したブース運営を行っています。
さらに、岡山県ブースには、岡山市、倉敷市からも職員が来てそれぞれの観光名所を紹介するなど、タイからの誘客に力を入れていることがうかがわれました。
岡山に行ったことがある来場者も岡山県ブースに来て下さり、多くの方が旅行時の写真を見せてくれました。それらの写真は、ほとんどが岡山城、倉敷美観地区など有名な観光名所で撮られたもので、その他にどこに行ったかを尋ねても、残念ながら岡山県以外に行っているようでした。広域を周遊する中で岡山県に立ち寄る場合はどうしても交通の便のよい岡山市、倉敷市になるようで、これらをいかに県北などに広げていくかが、これからの課題と言えそうです。そのアイディアの一つとしては、山陰地方との連携により、岡山県の北部地域に寄ってもらうことがあり、岡山県としてはこれらの連携も今後より活発に行っていきたいと考えているようです。
岡山県は関西地域、四国、山陰地方と接しており、交通の便も良いため、色々な連携の可能性が感じられます。岡山県の新たな魅力を発信し、各地との連携による相乗効果が生まれることが期待されます。
栃木県は茨城県及び(一社)関東観光広域連携事業推進協議会と連携し、ブースを出展していました。今回、同県は日本国内では全国的に有名な「大藤」を全面に押し出したプロモーションを実施しており、多くの来場者を惹き付けていました。「花」はアジアの方に大変人気があり、他の地域にない「花」に関する観光資源を持つ地域は、アジアからの誘客において大きなアドバンテージを持つと言われています。同県が行ったFacebookに登録し「いいね!」することで景品がもらえるプロモーションでは、用意されていたいくつかの景品の中でも大藤と桜の絵柄のスマホリングや大藤の図柄のクリアファイルに人気が集中しており、タイ市場における観光資源としての「花」の強さがうかがわれました。
また、来場者からは「高齢者の家族と日本へ旅行する予定があるが、大藤がある施設には車いすは用意されているか」という質問もありました。タイの高齢化率は現在約11%であり、2022年には高齢化率が14%を超える「高齢社会」に突入すると言われています。訪日タイ人の同行者は家族・親族が最多であり、年齢別構成では30代が最多で20代、40代と続き、高齢者の訪日者も一定数存在します。タイで観光地として良い評判を得るためには、バリアフリーも重要な要素の一つであることがうかがわれました。
タイからの訪日客は2018年に東南アジアで初めて100万人を超え、年々増加しております。これらの訪日客に地方に来てもらうため、各自治体等が大変力を入れてPRしています。ゴールデンルートの人気はもちろんありますが、更なる地域を求めた訪日客もこれから増えていくと思われます。そのとき、どの地域が人気が出るのか、何が人気となるのか、シンガポール事務所でも注視していきたいと思います。