日本の人気俳優である「斎藤工」さんがシンガポール政府観光局公式の観光大 使を務められていることをご存知でしょうか。これはシンガポール人監督の映 画への出演がきっかけとなったもので、斎藤氏は昨年8月から1年間にわたり、 公式HPやFacebookなどでシンガポールの魅力を伝えてきました(※)。 これは、「外国人を活用した情報発信戦略」の一つであり、斎藤氏のような影響力のある人物によるSNSを通した魅力発信のほか、海外の映画やドラマのロケーション誘致、その国の言語による紹介番組(各国現地TV局放映)などが非常に効果的であることから、この様な取組みがASEAN各国でも行われています。シンガポール政府観光局の公式HPやFacebookでは「グローバル、オーストラリア、中国、ドイツ、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリ ピン、ベトナム、タイ」向けのページがあります。ただ言語を変えるだけではなく、各国のトレンドを反映させた観光情報を提供しており、例えば「人気の 観光スポットTOP10」であれば、国によって場所や順位が異なっています。また、 Facebookの投稿に対して、シンガポールを訪れたことのある各国の人たちのコメントも多く掲載されており、その国の旅行者がまさに必要としている情報が 提供されています。こういった取組みの結果、2016年にシンガポールを訪れた外国人旅行者の数は約 1,640万人(前年比7.7%増)、観光収入は約248億円(同13.9%増)と、どちらも過去最高を記録しています。 このように、外国人を活用し、その国の言語やメディアを使った情報発信により、受け手にダイレクトに必要な情報を届けることは効果的であり、観光誘客だけにとどまらず、物産品の販路拡大、中小企業の海外進出支援など様々な分野において求められるでしょう。
※ http://www.visitsingapore.com/ja_jp/editorials/tourism-ambassador-takumi-saito/
(シンガポール事務所所長補佐 朽網)