2015年度の訪日観光客数は19,737,000人(前年比+27.5%)、ASEAN諸国から九州への訪日観光客は103,984人(前年比+31.3%)です。ASEAN諸国から九州への入国者数は5.5%にとどまっている状況です。九州観光推進機構では、ASEAN諸国からの九州への訪日観光客誘客拡大を図ることを目的に今年度は、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポールで商談会を開催しました。
10月7日(木)、シンガポールで開催された「九州観光説明会・商談会(主催:九州観光推進機構)」に参加しましたので、ご報告します。
シンガポールで行われた九州観光説明会・商談会には、日本から4自治体(福岡県、長崎県、佐賀県、宮崎県)を含む15団体が参加し、シンガポールの旅行代理店及びメディア関係者24社42名と商談を行いました。
今だからこそ、来て、観て、感じて
まず初めに行われた説明会では、Visit Japan大使であるジョージ・リム 氏が九州各地の魅力ある観光地を紹介しました。プレゼンでは、北九州と南九州を巡る2つのコース中心に、中でもおススメ観光地の一つとして、熊本地震で大きな被害を受けた熊本城が紹介されました。
リム氏からは、熊本城のライトアップされた画像とともに紹介され、「暗闇の中、傷つきながら浮かび上がる熊本城の今だけの特別な雄姿をぜひ目に焼き付けてほしい」という話がありました。
熊本地震は九州に大きな影響をもたらしましたが、その逆境をバネに九州は一丸となって観光客誘致に力を入れています。
FITを攻略する方法??
説明会に続いて、九州各県の観光担当者、宿泊施設等の関係者と現地旅行会社による個別の商談会が行われました。
商談会では、花の開花時期、祭の開催日など、地方のより旬な情報を探す担当者の声がよく聞かれました。シンガポール人観光客の8割はFIT(Foreign Independent Tour)、すなわちFITとは団体旅行やパッケージツアーを利用することなく個人で海外旅行をします。旅行代理店では、FITの旅行者に対して、旅行者が作成した行程に必要な航空券や車両の手配、レストラン等の予約を行っていきます。その過程で、旅行代理店は目的地のよりきめ細やかな情報を旅行者から求められることも多くなっています。
そのような旅行代理店のニーズに対応すべく、例えば宮崎県は、県内で楽しむことができる四季折々の花々を季節毎に一覧にした早見表を作成し、それを用いて説明していました。
旅行者や旅行代理店の求めるより旬な情報、よりローカルな情報を現地旅行代理店にいかに提供するか。旅行代理店への積極的な情報発信、情報提供は今後の訪日観光客誘致のポイントとなっています。
旅行代理店によると九州各県への訪日が見込まれるターゲット層は、主にゴールデンルート(東京―大阪・京都間)及び北海道への訪日経験のあるシンガポール人だと言われています。日本へのリピーターが増えてきた現在、九州各県の地道な努力も合わさり、シンガポール国内での九州の知名度は徐々に上がってきています。これらの状況を追い風に、旅行代理店のニーズに合わせた情報提供と九州一丸となった継続的なPRで、九州への外国人観光客がますます増加することが期待されます。