福岡市とヤンゴン市は2016年12月7日に姉妹都市として提携しました。ミャンマーと日本の自治体の間では初めての姉妹都市関係です。両市の交流は、水道分野の技術協力のため、JICA専門家として市職員をヤンゴン市に派遣したことをきっかけとして開始されました。姉妹都市提携後の2017年からは、福岡市の職員をヤンゴン市に「まちづくり協力支援アドバイザー」として派遣しています。福岡市は、姉妹都市提携1周年を記念し、11月3日(金)、ヤンゴン市において、一般市民を対象として福岡市及び両市の関係を紹介する「Fukuoka Yangon Festival」を開催しました。当事務所も、福岡市の先進的な取組やヤンゴン市民の様子について取材しました。
Fukuoka Yangon Festivalは、ヤンゴン市内のショッピングモールで開催されました。オープニングセレモニーには多くのヤンゴン市民が詰めかけ、ステージには、会場の吹き抜け部分の2階、3階からも市民の熱い視線が送られていました。セレモニーには、福岡市の高島宗一郎市長、ヤンゴン市のマウン・マウン・ソー市長が出席。マウン・マウン・ソー市長はヤンゴンの一般市民にもっと福岡市を知ってもらいたいと述べられました。また、高島市長は、人と環境と都市活力の調和のとれた住みやすい都市を目指す福岡市の魅力を紹介しました。加えて市長は、福岡もかつては水害に悩まされていたことや、課題を克服してきた経験を活かしてヤンゴン市を支援していることを説明され、ヤンゴン市民からは大きな拍手が寄せられました。
フェスティバルの内容は、福岡を拠点に活動する「和楽団ジャパンマーベラス」による和太鼓の公演や、マウン・マウン・ソー市長も大好きだという一風堂のラーメンの試食、福岡からヤンゴンに進出した洋菓子店ラヴィアンローズによるケーキの販売、Japan Culture Houseによる折り紙教室や浴衣の着付けデモンストレーション、また、福岡市のPRや博多人形の展示など、福岡市について幅広く紹介するものでした。特に一風堂のとんこつラーメンは無料で試食ができ、行列が途切れませんでした。ミャンマーも他のアジア諸国と同様麺文化を持っていることもあってか、とんこつラーメンはヤンゴン市民の心をしっかり掴んでいました。また、ジャパンマーベラスによる太鼓の公演では、何人かの観客にステージに上がってもらい、一緒に太鼓を叩いてもらうという演出を行っており、和太鼓に対する関心も高まったようでした。
ミャンマーにおいては、日本の地方についての情報は決して多くありません。そのような中で、今回の一般市民向けイベントを通じて、ヤンゴン市民による福岡市の認知度は急激に高まったと思われます。また、技術交流についてわかりやすく説明されていたことにより、姉妹都市関係も好感をもって受け止められていると感じました。今後、ミャンマーとの交流を考える日本の自治体にとって、大変参考になる事例と言えるでしょう。