自治体のプロモーションでは物産と観光を総合的にPRすることが、非常に効果的です。この点で、2017年12月に岩手県がタイ・バンコクで行ったイベントが物産、観光資源、地域の文化など余すことなく来場者に伝えた先進的なプロモーションの形といえますので、取材した概要を以下のとおり報告します。
12月14日(木)にタイ・バンコクのデュシタニホテルで岩手県の豊かな食と産地の魅力をPRするためのレセプションが開催されました。タイで初となる同県のトップセールス会場には、現地のメディア、旅行会社、流通関係者等役150名が招かれていました。
冒頭、達増知事により岩手県の県の特産品と観光に関するプレゼンテーションが行われ、中尊寺や橋野鉄鉱山といった歴史的価値を持つ世界遺産のほか、温泉やパウダースノーが自慢のスキー場など冬のリゾートが重点的にPRされ、タイと日本、岩手県との経済、文化交流のますますの発展に対する期待が述べられました。その後の県産品の試食交流会では、岩手県のお米やりんご、そば、牛肉、海産物などが多数振舞われたほか、岩手県の郷土芸能である「盛岡さんさ踊り」が披露されるなど、参加者の味覚や視覚を大いに魅了していました。
今回の岩手県知事による食と観光のトップセールスに合わせ、12月15日(金)~17日(日)には、バンコクの日系スーパーの「UFM Fuji Super(フジスーパー)」にて岩手県フェアが開催されました。15日には知事も売り場に立つなど、積極的に岩手県の食材を売り込んでいました。また、岩手県は16日(土)にはバンコクナショナルスタジアムでタイ国日本人会が主催する「ラムウォン盆踊り」にも岩手県ブースを出展しました。この盆踊りは30年前から開催されており、今年で12回目を数え、日タイ修好130周年記念事業として開催されました。当日は約1万人が来場し、多くの日本好きのタイ人も集まることから、こうした層をターゲットとするプロモーションの場としては大変効果的でした。開催日は1日のみと短いですが、他のプロモーションなどと合わせて行うことで、効果的かつ効率的にPRすることができます。
このように岩手県では知事のトップセールスに合わせ、様々な場所、ターゲット層に対して物産・観光・文化を総合的にPRすることに成功しました。