2018年、日本とインドネシアは国交樹立から60年という節目を迎えました。
1月19日(金)・20日(土)にジャカルタで開催されたオープニングイベント及び開会式を皮切りに記念事業がスタート。
当事務所も両日出席し、両国の取組みやジャカルタ市民の様子、また1年を通して実施される様々な記念事業について報告します。
日本とインドネシアは、1958年1月20日に平和条約と戦後の賠償協定に署名し、国交を樹立しました。
これまで緊密な関係を築いてきた両国ですが、決して順風満帆なわけではなく、1974年には反日暴動(マラリ事件)が起きています。これを受けて、インドネシアとの友好関係を維持するためには互いの文化を理解する文化交流が重要であるとの認識から、経済面のみならず文化面での交流も加速していくことになりました。
現在、日本文化はインドネシアでも人気を集めており、日本の伝統的な文化である着物や生花、折り紙などをはじめ、J-POP、漫画、アニメなどのサブカルチャーも広く親しまれています。また、インドネシアの経済発展とともに、日本を旅行するインドネシア人も急増しており、一定条件でのビザ免除もあいまって2016年には前年比32%増となる約27万人を記録しています。
2018年1月19日(金)、ジャカルタ北部コタ地区にあるファタヒラ広場において、一般市民を対象としたオープニングイベントが開催されました。
安倍晋三内閣総理大臣の特使として二階俊博自由民主党幹事長、日本担当特使のラフマット・ゴーベル インドネシア日本友好協会理事長、ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事らが出席されましたほか、多くの市民や報道関係者が来場しました。 開幕に当たり、二階特使は、「両国は互いに楽な時もそうでない時も、助け合い、震災があった時には互いに手を差し伸べてきた。こうした心が通う関係を若い世代に引き継いでいきたい」と挨拶しました。また、ゴーベル日本担当特使は「日本はインドネシアの経済や発展に貢献してくれている。今後も良い関係を続けていきたい」と述べ、会場からは大きな拍手が寄せられました。
その後、ジャカルタ歴史博物館をスクリーンにしたプロジェクション・マッピングでは、両国の交流の歴史を振り返る映像などが映し出されたほか、JKT48やピコ太郎のパフォーマンスも披露され、大いに盛り上がりました。
翌20日(土)には、日本の戦後賠償で建設されたホテル・インドネシア・ケンピンスキー・ジャカルタにおいて、ユスフ・カラ副大統領ご臨席のもと、開会式が行われました。会場では、両国の伝統文化の紹介として和太鼓やインドネシア舞踊が披露されたほか、60周年記念切手のデザインの発表も行われました。
オープニングセレモニーは北スマトラ州メダンやバリ州でも続いて行われ、東ジャワ州スラバヤでは23日(火)から28日(日)にかけて「ジャパン・ウィーク2018」が開催されました。また、27日(土)には、グロラ・ブン・カルノ・スタジアムにおいて「2018 Jリーグ アジアチャレンジinインドネシア」として日本のFC東京とインドネシアのバヤンカラFCが親善試合を行いました。
日本国内でも4月以降は東京、福岡、名古屋、広島などでインドネシア関連のイベントが行われます。また、9月には第10回目となるジャカルタ日本祭りが開かれるほか、日本音楽フェスティバルや日本の文化・物産を紹介する「日本村」、日本映画祭などが続々と開催予定です。
終盤となる12月には、インドネシア独立100周年の姿を、両国の専門家が意見を出し合いながら模索していくセミナー「プロジェクト2045」が開催される予定です。
これらの記念事業が、両国の親善と相互理解をさらに深める機会となることを願ってやみません。
インドネシアとの新たな交流を検討している自治体にとって、国交樹立60周年で盛り上がる今年が絶好のチャンスです!
当事務所では、引き続き、両国がますます友好関係を深められるよう、在インドネシア日本国大使館をはじめ日系機関と連携するとともに、現地の最新情報を発信してまいります。
(能村所長補佐 大分市派遣)