長崎県議会議員が観光、物産等の視察のため来星

4月16日(月)から20日(金)まで、長崎県議会の5名の議員団が観光、物産、航空路線開設等可能性に係る視察のため来星しました。クレアシンガポール事務所では、観光、物産、ASEAN諸国の状況等についてブリーフィングを行ったほか、以下の訪問先へのアポイントメント取得及び同行支援を行いました。

1.マリーナベイサンズ(MBS
マリーナベイサンズは、統合型リゾート(IR)として、カジノ以外にもホテルや大小250の会議室を含めた巨大なMICE施設、ショッピングモールや劇場などの多様な施設を兼ね備え、ビジネスマンからファミリー層まで幅広に需要を取り込むことで、シンガポールを代表する観光地の一つとして広く認知されています。
また、昨今、日本でも依存症対策や入場料等を巡るカジノに関する議論が取り上げられているところですが、シンガポールにおいては、自国民の入場料は100ドル(約8000円)に設定し(外国人は無料)、賭けの上限額や入場制限を個人ごとに設定することが可能であるなど、国と運営者とが協力して「責任あるギャンブル」に関する取り組みを進めています。

2.高島屋シンガポール
高島屋シンガポールでは物産展を一年の半分ほど行っていますが、日本で売っているものをそのまま置いて売るのではなく、実演を行うなど動きがあるブースで魅力を出し集客に努めているそうです。
ただ、物産展に出品した商品で高島屋の常設商品になったものはなく、また、出展者に対し現地のバイヤーから取引について話があったと聞くことはあるそうですが、実際に取引につながったという話は一件も聞かないとのことです。
市場規模が小さく競合相手も多いシンガポールへの日本の食品の進出はハードルが高いですが、シンガポールの食品の輸入総額のうち日本産品の占める割合は数%であり、日本の食品が進出できる可能性はまだあると考えられるとのことでした。

3.シルクエアー
シルクエアー(シンガポール航空の子会社)では週400便以上、16か国、51路線を運航しており、昨年10月に就航した広島便が最新です。広島便の機内食では日本食も選択でき、モバイル向け機内サービスである「SilkAir Studio」も人気があります。
広島便については、今後、広島・シンガポール間の単純往復から、マレーシアやインドネシアなどに接続できるようにすることも検討しながら、搭乗率80%を目指したいとのことでした。
日本に対しては、景色・食・文化・ショッピングなどが求められ、子供向けの施設、例えばディズニーランドのような施設が地方にもあればよいとのことでした。また、ムスリムマーケットもターゲットの一つとして有望で、マレーシアやインドネシアからの訪日客は増えているとのことでした。

4.イスカンダル開発公社
イスカンダル開発とは2006年に始まった、マレーシア南部ジョホール州の開発プロジェクトで、2025年まで約10兆円かけて開発し、2006年に130万人だった人口を300万人まで増やす計画です。
本年3月までの累積投資額は2,624億3千万リンギ(約7兆2995億円)となっており、2025年に向け、多くの分野で開発が着々とすすんでいます。
なお、2006年から2018年3月までの海外からの投資額は、1位中国、2位シンガポール、3位アメリカと続き、日本は4位となっています。印刷用のPDFファイルはこちら