クレアシンガポール事務所は5月7日と8日、インド東部に位置するジャールカンド州と同州のラーンチ市及びジャムシェードプル市を訪問しました。これらの自治体は日本の地方自治体との姉妹都市交流や行政分野における連携を希望しており、今回の訪問を通じて同自治体に関する情報収集や幅広い意見交換を行いました。
現在、インドの自治体と日本の自治体が姉妹(友好)都市提携を結んでいる事例は6件あり、その他にも経済や観光といった分野における覚書を締結している事例があります。今回訪問先でヒアリングをした各自治体の特徴や取り組みについて報告します。
首都デリーから飛行機で2時間で行くことができるジャールカンド州の州都ラーンチ市は、人口約110万人で州の商業の中心都市となっています。州と市は現在、住民サービス改善のため、水道や税金の手続きのオンライン化や、職員の能力向上の研修を進めています。また、インフラや公共交通の整備、廃棄物処理の問題に取り組んでおり、今後の発展のために歳入の確保と財政の適切な管理にも力を入れているとの説明がありました。
ジャムシェードプル市はラーンチ市から南東へ120kmに位置する人口約133万人の都市です。インド最大の財閥であるタタ財閥が1912年に鉄鋼の製造を始めた地であり、市内にあるタタ・スティールの製鉄工場は大きな存在感を示しています。同市はスマートシティを目指して、上下水道や電気の供給をコンピュータで管理したり、スマートフォンアプリで生活情報を提供するなど行政の電子化を進めています。また、水資源の有効活用や廃棄物のエネルギー化といった環境に配慮した町づくりにも取り組んでいます。同市は現在、工業団地の管理、職員の能力向上、文化交流等の分野において、日本の類似する工業都市との連携を希望しています。
インドに限らず外国の都市と新たに姉妹都市提携を結ぶことはハードルが高いですが、共通して関心のある分野について連携や交流を重ね、関係を継続していくことが大切だと思われます。クレアシンガポール事務所は、今回訪問した都市と日本の自治体との連携に向けて幅広く情報発信をしてまいります。