栃木県議会議員団がシンガポールを視察

6月18日(月)から20日(水)にかけて、栃木県議会議員団の計3名がシンガポールにおける訪日インバウンド促進、県産品の販路拡大、ICTを活用した同国の教育政策等についての海外行政調査のため来星しました。クレアでは6月19日(火)及び20日(水)の視察先へのアポイントメント取得及び同行支援を行いました。以下、視察先での情報をお伝えします。

1 ABC Cooking Studio シンガポール

ABC Cooking Studioは、現在日本全体では125店舗、シンガポール、マレーシア、インドネシア等海外では25店舗以上の料理教室を展開しています。同社シンガポールスタジオは2015年にシンガポール高島屋内にオープンし、沖縄県や熊本県、福岡県等多くの自治体と連携してイベントを実施しています。今回の視察では同社から事業概要や自治体との連携実績等について説明があり、その後、同社の料理教室のように「体験型」であることの重要性等について、密度の濃い意見交換が行われました。

 

2 Japan Rail Cafe

Japan Rail Cafeは、JR東日本が2016年12月に訪日旅行に関する情報発信と日本に関心の高い現地の方々の交流の「場」として、シンガポールの中心部の地下鉄直結複合ビル内にオープンした店舗です。「いまだけ、あなただけの情報を、常設でアクセシブルに」をコンセプトに、セミナー方式・ワークショップ方式の店内イベント、観光PR動画やパネルを活用した店内装飾、地域食材を使用したカフェメニューの提供といったコンテンツで自治体との連携事業を実施しています。視察ではシンガポールの訪日観光客の嗜好等について説明があり、今後の栃木県とJR東日本との連携等について活発な意見交換が行われました。

 

3 シンガポール教育省(Ministry of Education)

シンガポール教育省(Ministry of Education)は教育政策全般を管理・管轄している省庁です。天然資源に乏しく、東京23区とほぼ同じ面積しかないシンガポールでは「人材は最大の資源である」として、教育政策に取り組んでいます。

シンガポール教育省では国際競争力の強化を目的にICTマスタープランを1997年から5ヶ年ごとに策定しており、計画的にICT活用の環境を整備しています。最近(2018年5月末)では、シンガポール教育省が作成したオンライン学習ツールが全ての学校へ導入されました。また、従来、シンガポールでは能力主義のもと競争によるエリート育成が重視されてきましたが、現在では子供の長所や才能を最大限に生かすよう奨励し、多様性を重視した教育方針にシフトしています。今後は、芸術や音楽といった分野も重視していくとのことであり、これらの分野へのICT技術の活用も見込まれます。ICT教育先進国のシンガポールからは、今後も多くの示唆を得ることができると思われます。

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