クレアシンガポール事務所は、マレーシアで唯一の公共政策大学院（School of Government）を持つマレーシア北大学（Universiti Utara Malaysia）において、日本の地方自治セミナーを開催しました。
このセミナーは、所員の派遣元自治体におけるベストプラクティスについてのプレゼンテーションやディスカッションを通じて、日本とマレーシアの行政システムへの理解を深めることと、当事務所職員の英語能力や国際的感覚を習得することを目的としています。
今回のセミナーにご協力いただいたマレーシア北大学は、タイ国境に近いマレーシア北部のケダ州に位置し、経営学部、人文科学部、法・政治・国際学部の全体で約30,000人の生徒が在籍しています。各国からの留学生も多いことから学内には学生向けの寮があるほか、ショッピングセンターや運動場、ゴルフ場等の施設も整備されています。
今回のセミナーには法・政治・国際学部内にある公共政策大学院の学生及びソマリアからの留学生の約３０名と教授・講師約10名の方に参加していただきました。学生たちの中には、将来公務員を目指す人や現役の行政関係者も含まれていました。
１ シンガポール事務所職員によるプレゼンテーション
当事務所の職員４名がそれぞれの派遣元での施策を基にした「歴史的な町並みを活かした都市計画」、「防災環境都市」、「音楽を活かしたまちづくり」、「「食」を活かしたまちづくりによる地域経済の活性化」をテーマに、英語によるプレゼンテーションを行いました。参加者は真剣な面持ちで、メモを取ったり、あるいはスクリーンに映った資料を写真撮影するなど、熱心に聴講していました。
２ シンガポール事務所職員と教員・学生によるグループディスカッション
ディスカッションでは、職員が発表したプレゼンテーションの内容を中心に意見交換が行われ、「いつ起こるかわからない災害（地震など）に対して、行政としてどのような対応をしているのか」「国税と地方税の具体例、所得税や住民税の税率、固定資産税の算定方法や車にかかる税があるか」など日本の地方行政の施策についても質問が出ていました。
学生から出されるこのような質問や意見に対して、職員も自らの知識や経験を踏まえて熱心に説明しました。
また、職員にとっては、英語でのディスカッションを経験することで、英語能力や資質の向上につながる大変良い経験になりました。
３ 今後の交流について
今回の大学セミナーの実施に当たって、大学側からは、今後も継続的な交流を行っていきたいとの提案がありました。
シンガポール事務所ではこのような活動を通して、今後もASEAN及びインドの関係機関との新たなネットワークの構築・強化に取り組み、日本の自治体の海外活動をサポートしてまいります。