8月27日(月)と28日(火)、長崎県市町村振興協会が県内の自治体職員に対して毎年実施している海外研修のため、シンガポールを訪れました。今年度の研修テーマは「観光振興と地域産品の海外販路開拓」で、当事務所ではブリーフィングや訪問先への同行等を行いましたので、その内容を報告します。
当事務所では、「自治体の海外販路開拓」や、「シンガポールの観光政策」についてブリーフィングを行いました。海外販路開拓については、自治体間の広域連携や息の長い継続的な取組等、成功を掴むためのポイントを説明しました。
リゾート・ワールド・セントーサは、旅行ビジネスメディア「TTG Asia Media」からベスト統合型リゾート賞を受賞した、世界有数の統合型リゾート施設です。今回の訪問では、MICE施設や各種アトラクションについてブリーフィングを受けるとともに、各施設の視察も行いました。運営上、新規来場者の獲得はもちろんのこと、リピーターを取り込むことが大切であり、そのための工夫として半年ごとにアトラクションの入替えを行っていることを伺いました。
日本国大使館では、「シンガポールの概要」と「シンガポールにおける日本食品・食材の取り扱い状況」についてブリーフィングを受けました。シンガポール市場は参入障壁が低く、日本からも進出しやすい一方で、世界各国から競争相手が来ることや他とは違う特色を出していくことが大切であることを伺いました。
WAon Pte Ltd社は、フリーペーパーの発行や東南アジアのマーケティングリサーチ、日本の自治体の海外展開支援等を行っている事業者です。今回は、同社の事業と自治体の海外展開についてブリーフィングを受けました。自治体の海外展開に当たっては、現地の文化やトレンドを把握したうえでPRしていくことが大切であることを伺いました。(例:東南アジアでは白米を食べる文化はなく、油に合うジャスミンライスが高級品として認知されています。)
JAPAN RAIL CAFEは、JR東日本が運営する日本の観光情報の発信拠点(カフェ)で、定期的に自治体と連携し、各地域の観光情報を発信しています。今回の訪問では、同カフェの概要のほか、訪日客の動向や同カフェを活用した自治体観光PR事例についてブリーフィングを受けました。訪日客の動向については、1~2週間の長期滞在者が多く、幅広い地域にまたがって周遊することが多いことから、自治体側としても広域的に連携してPRを行うことが大切であることを伺いました。
タンジョンパガーの商業施設「100AM」内の日系レストラン集積ゾーン「itadakimasu」と小売店舗「DON DON DONKI」を視察しました。日本との価格差やシンガポールでの売れ筋商品など、現地の状況を消費者目線で見て回りました。
JETROシンガポール事務所では、シンガポールにおける日本食材の販売動向についてブリーフィングを受けました。シンガポールのトレンドとして、商品の差別化のため、バイヤーからはハラール商品を求められることが多くなっていることを伺いました。
JNTOシンガポール事務所では、訪日旅行の動向についてブリーフィングを受けました。訪日客へのPR方法について、シンガポールはインターネットやSNSの普及率が高いことから、従来の旅行博などに加えて、オンラインでもPRを行っていくことが効果的であることを伺いました。
研修に参加された皆さまは、今回の海外研修を通じて、日本にいては分からない様々な物事を自分たち自身で見聞きすることができ、多くの刺激を受けたようです。近年、自治体職員の海外研修のためシンガポールを訪れるケースが増えています。当事務所では、訪問先のアドバイスやアポイントメントの取得といったサポートも行っていますので、お気軽にご相談ください!