三重県は、2018年11月16日(金)、日本初となるシンガポールへの活(生)カキ輸出の解禁に先立ち、三重県産カキの美味しさを知ってもらうため、銀座ライオン・シンガポール店において、現地メディア等を招待しての三重県産カキのプロモーションイベントを開催しました。
プロモーションでは、三重県鈴木知事と三重県出身で銀座ライオン・シンガポールの総料理長である松原氏との対談や、県内3産地の焼きカキが招待客に振舞われての食べ比べが行われました。
三重県の鳥羽~紀伊地域にかけての海沿いは、カキ街道と呼ばれるほどマガキ養殖が盛んで、地域ごとに特色があるマガキが養殖されています。
産地ごとに特徴のあるカキが養殖されていますが、プランクトンの豊富な漁場環境を活かし、通常2~3年かけて養殖するカキを1年で出荷するため、どの産地のカキも渋味が少なく、甘みが強いのが特徴です。
また、収穫量シェアは全国2.5%程度であるのに対して、生産額が5.6%と、品質が高く高価なカキが多いのも特徴の1つです。
日本初の生カキ輸出に向けて精力的に取り組む鈴木知事は、輸出解禁後、直ちにシンガポールの市場に参入できるよう、今回のイベントも含め既に様々なプロモーションを当地で実施されています。
対談で鈴木知事は、日本では高級な贈答品としても人気な三重県産カキの素晴らしさや、これまでのプロモーションにおける手応え、シンガポールにおける三重県産カキの可能性について熱く語られました。
松原総料理長は、シンガポール人はカキを食べる際、レモンやオリーブオイルをかけて生で食べる人が多いことや、シャンパンやスパークリングワインと一緒に食べたり、スコッチをかけて食べたりするなどお酒との相性も良いため、解禁後は是非銀座ライオンでも三重県産の生カキをメニューに取り入れたいと語られました。
今回のイベントでは数ある産地の中から、鳥羽市生浦湾(おおのうらわん)の「浦村カキ」と「安楽島カキ」、志摩市的矢湾の「的矢カキ」の3産地のカキ(冷凍)が輸入され、招待客に焼きカキとして振舞われました。
招待客は、積み上げられた三重県産カキの壮観な様子を写真に収めた後、それぞれに特徴のあるカキを試食され、その違いについて熱心に語られていました。
招待客の多くは日系メディアでしたが、中には現地メディアの姿も見られ、日本初となる生カキ輸出への関心の高さが伺えました。
シンガポールへの生カキ輸出には、農食品・獣医庁(AVA)の貝類衛生プログラム基準を満たし、かつ、シップメントごとにシンガポールの食品安全基準を満たしていることを証明する輸出国管轄機関発行の衛生証明書を提出しなければならず、輸出のハードルが非常に高くなっています。
本プロモーション終了後、鈴木知事はAVAを訪問され、三重県の衛生管理プログラムが無事承認されたことを確認されました。今後は、農林水産省から衛生証明書が発行されれば実際の輸出が可能になるとのことです。
シンガポールで三重県産の生カキが食べられる日も近いかもしれません。