2018年10 月19日(金)から21 日(日)までにかけて、カンボジアのシェムリアップにて「The 24th ASCOJA Conference」が開催され、ASEAN(東南アジア諸国連合)各国の元日本留学者の方々が集まり、世界遺産や観光等をテーマに交流が図られました。当事務所では、ASCOJA Conferenceにて自治体の観光PR及びクレアの事業紹介等を行うブースを出展するとともに、視察を行いましたので、その様子について報告します。
ASCOJA(アスコジャ)は、ASEAN Council of Japan Alumni (アセアン元日本留学生評議会)の略称で、外務省招聘事業「東南アジア元日本留学者の集い」で交流を深めた各参加者たちが中心となり、ASEAN各国の元日本留学者同士の交流を目的として、1977年6月に設立されました。
ASCOJAは、ASEAN10ヶ国にある10の元日本留学生協会による連合体組織で、各団体は各国にて日本文化・日本語などの普及活動を実施し、継続的に日本との交流を図るとともに、定期的に開催されるASCOJA Conferenceを通じて、ASEAN間の交流も行われています。
今回のASCOJA ConferenceではASEAN各国から約400名が参加し、世界遺産のアンコール・ワットを有するカンボジアで、世界遺産や観光をテーマとして、講演やディスカッション、現地視察等が行われました。長年、アンコール・ワットの遺跡修復に尽力されておられる石澤良昭氏の功績により、アンコール・ワットと日本は素晴らしい関係性が築かれています。日本人のみでなく、ASCOJAメンバーの方々がそのことを誇らしく感じていると聞き、日本のことを非常に大切に想ってくれているのだと、感慨深いものがありました。
また、各国における文化遺産の保護施策の共有や、ASEANからの訪日者数の増加が著しい日本の観光政策が紹介されるなど、ASEAN間や日本との繋がりを大切にしながら、参加者が各国及びASEANの発展について考える場となっていました。
最終日には全員でアンコール・ワットを視察するともに、アンコール・ワット周辺で植樹が行われ、植樹が行われたエリアはASCOJA PARKと名付けられるなど、ASCOJAの取組が後世にまで残る機会となりました。
出展したクレアブースでは、訪れた方々の殆どが日本に好意的なため、何度も訪れたことがある人が多く、まだ海外では有名でない地域への関心の高さが伺えたとともに、雪が見られる地域への人気の高さを感じました。更に、普段の旅行博等と異なる点として、ASCOJAメンバーの方々の中には、子どもが日本へ留学している方も多く、子どもの留学先周辺の観光エリアについての質問もいくつかありました。
クレアシンガポール事務所はこれまで、元日本留学生の方々との連携を大切にしてきたこともあり、クレアを知っている方も多く、改めてクレアの事業等を確認し、今後も連携したいとの話もありました。一方、初めてクレアを知るものの、行政に携わっており、日本の地方自治体との連携に関心を示す方もいました。
日本とASEANとの関係性はこれから益々重要なものとなってきます。今回のASCOJA Conferenceでは、多くの方々が「日本とASEANとの心と心の繋がりを大切にしたい」という言葉を述べられ、実際に様々な活動を通して日本とASEANの架け橋となっている方々が多くいるのだということを改めて実感する機会となりました。そのような活動の中には日本の自治体と連携しているものも多く、今後もそういった活動をされる方々と日本の自治体との交流が更に増え、お互いの国への発展に繋がることが期待されます。