2018年11月23日に開催されたJETAA(JETの同窓会組織)フィリピン支部設立記念レセプションに当協会の礒部参与が出席しました。それに合わせて、JETROシンガポール事務所、ジャパン・クリエイティブ・センター、JETROマニラ事務所等を訪問して各国の現状について意見交換を行いましたのでその概要をご報告します。
シンガポールでは日系企業の進出状況が落ちてきています。これはローカルの雇用を拡大するためビザの発給を厳格化したシンガポール政府が要因の一つと考えられます。
シンガポールではローカルの失業率が4.0~4.2%であり、ある程度の年齢と経験を持った、経済の中核を成すはずの人々が失業しています。シンガポール政府としては、ローカルに対する外国人の比率を一定にしておきたい(ローカル:外国人=2:1)ようですが、ローカルの就業者が増えないため全体も増やしていけないといった状況です。
1990年代までは外国人労働者の積極的な受け入れにより経済成長してきたシンガポールですが、2010年頃から、労働生産性の向上による持続的な経済成長を目指すため、外国人受入政策の見直しを進めています。
今後シンガポールへの進出を検討している企業は、ローカルの雇用を意識した進出を考える必要があります。
ジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)は、シンガポールにおける日本文化に関する情報発信の拠点として、アニメ、マンガ、ファッション、デザイン、アート、建築、科学技術、伝統文化等に関する様々なイベントを実施しています。
JCCは来年開設10周年になりますが、JETAAシンガポール支部も同じく10周年を迎えます。これに当たり、両者でコラボレーションして記念事業をできないか提案したところ、非常に前向きな回答をいただきました。クレアシンガポール事務所では日頃より両機関とは連携を深めているところですが、10周年記念イベントについても、今後サポートしてまいりたいと思います。
フィリピンではドゥテルテ大統領政権が麻薬や汚職の撲滅に尽力しており、最近では非常に治安が良くなったとのことです。また、2020年には初の日系デパートとして三越伊勢丹がマニラに進出する予定で、自治体の海 外販路開拓においては今後フィリピンにも熱い視線が注がれていくことが見込まれます。
クレアシンガポール事務所は東南アジア諸国における自治体の経済活動を支援しています。シンガポール、フィリピンに限らず、海外販路開拓等で悩んでいる自治体はお問い合わせください。