2019年1月23日(水)から25日(金)までにかけて一般社団法人秋田犬ツーリズムがシンガポールにおいて、観光誘致及び販路開拓活動を行いました。クレアシンガポール事務所では、訪問先のアポイントメントの取得や同行支援を行いましたのでその概要を報告します。
昨年の平昌オリンピック金メダリストであるロシアのフィギュアスケート選手、アリーナ・ザギトワ選手へ秋田犬の「マサル」を贈呈したことから「秋田犬」への注目が高まりました。また、渋谷駅前の忠犬「ハチ公」の銅像は世界的にも有名です。しかし、ハチ公が秋田犬であること及びその生まれ故郷が大館市であることは意外に知られていません。秋田県北部の大館市、北秋田市、小坂町、上小阿仁村の4市町村により組織されたDMO(Destination Management Organization)の一般社団法人 秋田犬ツーリズムは、この世界的に有名な「秋田犬」を観光のツールとして活用し、広域連携により地域の活性化へ取り組んでいます。
シンガポール国内で、生け花のすばらしさと日本文化の紹介をしているIkebana Internationalが主催するチャイニーズニューイヤーイベントで秋田県北部地域をPRしました。当日は、お餅にバターや砂糖、卵黄などを混ぜた地元で人気の「バター餅」が提供されました。もっちもちの食感とほんのりとしたバター風味に、出席者からはどこで買えるのかという問い合わせが多数ありました。シンガポールでは販売していないことをお伝えし、ぜひ、秋田県にお越しになり作りたてを食べていただきたいとPRを行いました。会場での反響の大きさから将来的にシンガポールでの販売も期待されます。そのほかに、出席者へ秋田犬のポストカードを添えて秋田県のパンフレットを配布しました。秋田県を知っている方はそれほど多くはありませんでしたが、パンフレットを手に取っていただいた方々の質問から豊かで美しい自然を持つ日本の地方への関心は高いと感じました。
観光プロモーションのほかに、地域の特産品の販路開拓に向けて食品販売業者等を訪問しました。今回、紹介した商品は「枝豆スナック」「枝豆のペースト」「大豆のマヨ」の3商品です。「枝豆スナック」は朝採れた枝豆をその日のうちに加工することにより味と鮮度を最大限に保ち、枝豆の味がぎっしり詰まったスナックです。大豆のマヨネーズは卵を使わず、秋田県産大豆から絞った豆乳と白神こだま酵母の発酵液を使い、独自製法で開発したコレステロールゼロのマヨネーズ風ドレッシングです。添加物を使用しておらず健康が気になる方、卵アレルギーの方も安心して食べられます。価格や販売ルートなど越えなければならないハードルはいくつかありますが、高まるシンガポーリアンの健康志向をうまく捉え、販売が実現することを期待します。また、今回の売り込み商品ではありませんでしたが、どの訪問先でも「きりたんぽ」への関心が高く、「ナベ文化」のあるシンガポールでの可能性を感じました。
一般社団法人 秋田犬ツーリズムは、今後も引き続きシンガポールでの観光誘致、販路開拓活動を行っていく予定です。自治体の魅力を発信し、ファンを獲得することは一朝一夕ではできず、継続的に活動を行っていくことが肝要です。今後の「秋田犬の里」の売り込みに期待します。