クレアシンガポール事務所は、インドネシアのジャカルタで開催された、日本政府観光局(JNTO)主催の一般消費者向け旅行フェア「Japan Travel Fair 2019」に参加し、ビジット・ジャパン・カウンターにおいてJNTOジャカルタ事務所と連携した訪日観光PRを行いました。
今回の「Japan Travel Fair 2019」は、日本の春・夏をターゲットにした旅行フェアで、現地旅行会社による一般消費者向けの訪日旅行商品販売と、日本側出展者及びJNTOによる観光情報の発信が行われ、インドネシアの一般消費者向けにアピールする絶好の機会となりました。
当事務所職員が現場で見たインドネシアの訪日旅行市場の最新状況をレポートいたします。
主 催 |
日本政府観光局(JNTO) |
概 要 |
インドネシアからの訪日旅行者をさらに増加させるため、ジャカルタ市内のショッピングモールにおいて旅行フェアを開催。
現地旅行会社が訪日旅行商品の販売を行うほか、日本の地方自治体等共同出展者が各地域の観光の魅力・情報を発信。 |
開催期間 | 2019年3月1日(金)~3日(日) 3日間 |
開催場所 | コタ・カサブランカ・モール 1階
ジャカルタ南部に位置する富裕層・中間層向けのショッピングモール。 |
対 象 | 一般消費者(B to C) |
入 場 料 | 無料 |
来場者数 | 速報待ち
※前回開催時は約55,000人(2018年度10月開催、3日間合計) |
出展団体数 | 日本側出展団体:16団体
<うち自治体関係出展者6団体> (一財)沖縄観光コンベンションビューロー、おかやま、姫路市、石川県、中部地域、北海道観光振興機構 インドネシア側出展団体:銀行系1社、旅行会社22社、航空会社5社 |
インドネシアの訪日外客数は2018年に過去最高となる396,900人(推計値)で前年比12.7%増を記録しました。これは、インドネシアの2018年海外旅行者数全体の伸び率7.5%増(975万人)を上回っており、日本への関心の高さが伺えます。
この背景には、経済成長による所得の増加や一定条件でのビザ免除といった理由のほかに、2018年の日インドネシア国交樹立60周年記念イベント等を含めた様々な訪日旅行プロモーションや、格安航空会社(LCC)の日本発着便の一時的な増加、インセンティブツアー(報奨旅行)の増加が挙げられます。
【参考】インドネシアからの訪日外客数の推移(出典:日本政府観光局(JNTO))
年 次 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
訪日外客数 | 205,083人 | 271,014人 | 352,330人 | 396,900人 |
前年同月比伸率 | +29.2% | +32.1% | +30.0% | +12.7% |
※インドネシアの総人口:263,991,000人 (出典:United Nations「2017 Revision of World Population Prospects」)
JNTOブースに来る方々の大半の目的地はゴールデンルートで、東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどのテーマパークや、富士山に関する情報を求める方が多くいました。また、それらへのアクセスも含めた日本滞在中のお得な移動手段(例:Japan Rail Pass)についても、多くの問い合わせがありました。ただし、航空券(+場合によってはJapan Rail Pass)だけ購入して、「東京に○○日間、関西に○○日間いる予定だが、〇月はどこに行くのがおすすめか」といったような漠然とした質問をする方が多い傾向にありました。また、白川郷は第2のゴールデンルートと言えるほど人気が高く、もちろん冬の時期の人気が高いのですが、時期を問わずアクセス方法を求める方がとても多かったです。併せて、3・4月の訪日予定者からは桜の開花時期に関する問い合わせも多く、ブースでも開花予想マップを準備していましたが、事前に開花時期等について情報収集をしている人は少なく、開花と時期が合わずに落胆する来場者も相当数見られました。
一方で、受入側も環境整備を進めているハラル対応については、2018年10月に開催された前回のJapan Travel Fairの来場者アンケートにおいて、「全体の8割はハラル対応があるかどうかを気にするが、そのうち、“ハラル認証”を気にするのは3割しかおらず、残りの7割はムスリムフレンドリー(成分表示程度)で大丈夫」との傾向が見えたようです。
2018年のインドネシア人訪日旅行者数は過去最高の39万人と、順調に記録を更新していますが、2億6千万の総人口を考えると、今後もゴールデンルートを中心に訪日客を伸ばせるポテンシャルは充分にあると言えます。
一方で、ゴールデンルート以外の地域の認知度はまだまだ低く、地方の観光地においては、継続的なプロモーションによる知名度の向上と、今後少しずつ増えるであろう訪日リピーター層にいかにPRしていくかが課題であると言えます。
今後、2019年3月から中部国際空港⇔ジャカルタの定期便(ガルーダ航空)が就航することに加え、エアアジアも福岡⇔クアラルンプール便を同月から新たに就航、更にはシンガポール航空が大阪⇔シンガポール便を4月に増便するなど、周辺国での乗継も含めると日本へのアクセスが良くなってきているため、これを追い風にしていきたいところです。
当事務所では、引き続きJNTOと連携しながらインドネシアの訪日旅行に関する最新の動向を収集するとともに、情報発信に努めてまいります。