宮崎県山村・木材振興課の職員などが、シンガポールを含めたASEAN市場における新たな木材製品の需要開拓の可能性を探るため、2019年3月8日~9日にかけてシンガポールを訪れました。宮崎県はスギ丸太の生産量27年連続日本一の林業県としても有名で、最近では海外展開にも力を入れています。今回の滞在中、シンガポールのデザイナーとの意見交換や国際家具展(International Furniture Fair Singapore)・インテリア展(NOOK Asia)の見学等を通じて、今後の可能性や課題に繋がるヒントを見つけることができたようです。
今回、クレアシンガポール事務所では、全体の行程の調整や同行支援等を実施いたしました。
正直な話、シンガポールには木材製品や木造建築物はそれほど多くはありません。一方で、国の政策として都市の緑化を進めていたり、特に若い世代の間では、環境意識の高まりが見られたりするというのは、プラスの材料となるかもしれません。
実際、今回意見交換を行った複数のデザイナーからは、「循環型素材としての木材や森林のストーリー性は、最近の流行として注目に値する」といった話がありました。また、それらを裏付ける客観的な目印として、認証(環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品であることを証明するFCSの認証など)を取得することも重要であるようです。
また、当然のことながら価格の話も重要です。意見交換の中で、サンプルで持ってきていたフローリング材や木製のグラス等について、販売価格の確認をされることが何度かありました。「可能性を探る」というレベルであっても、国内及び国外における大体の価格設定についてはイメージを持ってのぞむことが必要になるということを改めて感じました。
近年、海外のデザイナーと日本の伝統的な文化や技術等を組み合わせる形で、世界に向けてPRしている事例が増えています。今後、宮崎県がどのような形で自らの商品を磨き上げ、新たな市場に対して木材製品をどのように売り込んでいくのか、クレアとしても引き続き注視してまいります。