クレアシンガポール事務所では、ABCクッキングスタジオ(以下「ABC社」という。)と連携し、地方の食材の魅力を伝える料理教室を実施しています。この取組は2017年度から行っており、これまではシンガポール国内のみでしたが、2019年10月に初めてマレーシア(クアラルンプール)で開催しました。
本事業は、自治体がPRしたい食材を提供し、ABC社がレシピを考案。自慢の食材を実際に使って、その国の消費者自らの手で調理・試食するものです。
料理教室はたくさんのお客様に参加いただけるよう、1回4人のレッスンを複数の日程で継続的に実施。
自らの手で調理・試食することで、その美味しさを実感してもらい、その後の継続的な購入や口コミによる情報の拡散につなげ、販路拡大・開拓に寄与することを目的としています。あわせて、食材を通じて地方の魅力を発見していただくことにも期待しています。
〇実施期間: | 2019年10月24日、25日、30日、31日、11月1日 1日3回、合計5日間15回レッスンを実施 |
〇会場: | ABC Cooking Pavilion Studio, Kuala Lumpur |
〇参加者: | 計64名(インフルエンサー・メディア招待者含む) |
〇参加自治体: | 静岡県、兵庫県、高知県 |
〇メニュー・PR食材
冷たいフォー風うどん | 兵庫県:グルテンフリーうどんヌードル、淡路島たまねぎ 高知県:ユズ果汁 |
わさびいなり寿司 | 静岡県:わさビーズ 兵庫県:コウノトリ育むお米 |
ゆず風味から揚げ | 高知県:ユズ果汁 |
アボカドとクリームチーズのわさび風味 | 静岡県:わさびスパイシーディップ |
八穀パンケーキ | 兵庫県:八穀パンケーキミックス、蒸し黒豆 |
PR食材には、同時期にクアラルンプールで開催された、クレア主催の「日本ふるさと名産食品展」(10月25日~11月3日)に出品された一部食材も使用し、購買への相乗効果を図りました。
また、レッスン期間中には、インフルエンサー及び地元メディアを招待し、レッスンの様子・PR食材等について広く発信する機会を設けました。
さらに、レッスン会場においては、大型ビジョンでの自治体PR動画の上映、参加者への観光パンフレット等の配付など、物産だけでなく観光も含めた地方の魅力発信を行っています。
ABC社によると、今回のレッスンは、募集開始後、数日で満席になる人気ぶりで、参加者は主に20~40歳代の女性でした。
実際に料理体験した参加者からは、「美味しかったので自宅でもまた作りたい」、「レッスンを通じて食材とその生産地に興味を持った」など前向きなコメントをいただきました。
参加者アンケートによると、PR食材のうち、ゆずは7割、わさびは9割の人が知っているもしくは食べたことがあると回答し、いずれも味・購買意欲の面で高評価でした。また、普段よく購入する日本食材としては、みりんや醤油などの調味料、米といった回答が多数を占めました。クアラルンプールでは、伊勢丹やイオンなどの日系スーパーのほか、ショッピングモールに入っているスーパーの一画に日本コーナーがあることが珍しくないためか、日本の食材に一定程度親しみがあるようでした。
一方で、自治体(地域)そのものや、食材の生産地としての知名度に関する質問については、ほとんどの参加者が知らなかったと回答しました。あらためて、地方への関心はこれから高める余地があり、食材を用いたアプローチもそのきっかけの一つとして有効ではないかと感じました。
レッスンを担当した講師によると、レッスン終了後、参加者から「気に入った食材をどこで購入できるのか」という質問が相次いだそうです。実際に購入したい食材に関するアンケートでは、グルテンフリーのうどんやパンケーキミックスなどが上位にランクイン。健康志向の高まりもうかがうことができました。
今年度は、シンガポールにおいても、2020年2月に2週間にわたり料理教室の開催を予定しています。
クレアシンガポール事務所では、引き続き、東南アジアをはじめとする所管国において、さまざまな観点から日本の地方の魅力を知ってもらうべく、取り組んでまいります。