クレアシンガポール事務所は、マレーシアのクアラルンプールで開催された、日本政府観光局(JNTO)主催の一般消費者向け旅行フェア「Japan Travel Fair 2019 Winter」に参加し、JNTOクアラルンプール事務所と連携した訪日観光PRを行いました。
ここでは、マレーシアにおける訪日旅行の動向をレポートします。
1 「Japan Travel Fair 2019 Winter」概要
主 催 |
日本政府観光局(JNTO) |
概 要 |
マレーシアからの訪日旅行者をさらに増加させるため、クアラルンプール市内のショッピングモールにおいて旅行フェアを開催。 現地旅行会社が訪日旅行商品の販売を行うほか、日本の地方自治体等の出展者が各地域の観光の魅力・情報を発信。 |
開催期間 |
2019年11月22日(金)~24日(日) 3日間 |
開催場所 |
The Starling(富裕層・中間層向けのショッピングモール) |
対 象 |
一般消費者(B to C) |
入 場 料 |
無料 |
出展団体数 |
日本側出展団体:11団体(うち自治体関係5団体) マレーシア側出展団体:旅行会社10社 |
2 マレーシアの訪日旅行者の状況とフェアの様子
マレーシアの訪日旅行者数は2018年に過去最高となる468,300人(前年比6.5%増)を記録しました。2019年においても、1~10月までに358,400人と前年の同期間(345,214人)と比較して、3.8%の伸びを記録していますが、その伸び率は落ち着いてきています。
マレーシアからの訪問先としては、東京~京都・大阪間のいわゆる“ゴールデンルート”が依然として主流となっており、東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオ・ジャパンなどのテーマパークも高い人気を誇っています。一方で、訪日リピーターも増えていることから、ゴールデンルート以外の訪問先を検討している来場者も多くいました。
最近では、冬の時期にスノーアクティビティを目的として、家族旅行で北海道を訪問するケースや、2019年3月にクアラルンプールから福岡への直行便が就航したことから、九州への訪問が増えているようです。
また、2020年1月にはクアラルンプールから沖縄への路線(台湾経由)が就航することもあり、沖縄のブースには多くの人が訪れていました。
フェアに出展していた自治体や旅行会社に話を聞いたところ、マレーシア人は、「雪」や桜をはじめとする「花」、果物狩り、日本のテクノロジーに興味があり、それを体験したいというニーズが多いようです。また、他のアジア諸国と同様、観光先での写真撮影を好むことから、「インスタ映え」するような観光地が人気とのことでした。
フェア期間中は、ステージプログラムとして、和太鼓パフォーマンスや沖縄の伝統芸能であるエイサーのパフォーマンスがありましたが、ステージの周りには多くの来場者が集まり、日本文化への関心を感じることができました。
3 成熟しつつあるマレーシアの訪日旅行市場
訪日マレーシア人の旅行スタイルは、8割近くがFIT(海外個人旅行)となっています。日本にはすでに何回か行ったことがある人も増えてきており、他の東南アジア諸国と比較すると、マレーシアは成熟した訪日旅行市場になりつつあるようです。
そのため、各自治体にとっては、都市圏以外の観光地に目が向いているマレーシア人をいかに惹きつけるかが重要になってきます。
フェアに出展していた神戸観光局の担当者に話をお伺いしたところ、「神戸という地名は聞いたことあるが、神戸で具体的に何ができるのか」という質問を来場者からはしばしば聞かれるとのことでした。その際に、神戸に来ないとできないことを来場者にうまく説明できないと、なかなか来場者は興味を持ってくれない、との話をしてくださいました。
各自治体におかれては、訪問先として、海外のみならず国内にもたくさん競合がある中で、その地でしかできないことは具体的に何があるのかを見直し、観光地としての魅力を磨いた上で、訪日に興味がある層に訴えていく必要がありそうです。
当事務所では、引き続きJNTOと連携しながらマレーシアの訪日旅行に関する最新の動向を収集するとともに、情報発信に努めてまいります。