自治体国際化協会シンガポール事務所は、フィリピンで開催された「Travel Tour Expo 2020」(以下「TTE 2020」)に参加し、JNTOマニラ事務所と連携してビジット・ジャパンブース(VJブース)において、訪日観光PRを実施しました。
TTEは例年10万人以上の来場者数を誇る、フィリピン最大の旅行博です。世界各国のブースが設けられるなか、VJブースでは、“電車・新幹線”と“駅”をテーマにしたデザインで日本のプレゼンスをより高めました。新型コロナウイルス流行の影響を受け、今年の来場者数は約7万人と例年に比べ減少しましたが、それを感じさせない程VJブースには多くの人が訪れてくださいました。
1 TTEの概要
開催期間 |
2020年2月7日(金)~9日(日) |
開催場所 |
SMX Convention Center |
対象 |
一般消費者 |
入場料 |
100ペソ(約210円) |
来場者数 |
68,429人(2020年実績) |
VJブース出展団体数 |
20団体 |
VJブース来場者数 |
32,000人(推計) |
2 全国各地から鉄道会社が集結!
VJブースへの出展団体、20団体のうち8団体(共同出展を含めると10団体)が鉄道会社でした。フィリピンでは家族旅行が主流で、レンタカーや借上車での移動が人気です。しかし、広範囲の移動には電車が効率的であることや、値段の安さをアピールしたり、人気キャラクターのラッピング車両で付加価値をつけるなど、各鉄道会社が様々な趣向を凝らしたPRを行っていました。
3 フィリピンで活躍する有名人がPR!
VJブースに設置したディスプレイでは、フィリピンの人気俳優らが日本を紹介するVTRが放映されており、多くの
若者の来場者が足を止めて見入る姿が印象的でした。「撮影場所となっている地域はどこですか。」という質問も多く寄せられ、有名人を活用した訪日PRの効果を実感しました。
フィリピンで活躍している日本人である“フィリピン住みます芸人”「HPN3(ハポンスリー)」は漫才の披露や筆ペンで来場者の名前をひらがなや漢字でポストカードに書いて進呈するイベントを実施しました。特に後者は行列ができるほどの人気で、日本文化を体験していただくきっかけにもなりました。その他、モデルとして活動する傍ら、オムライス店を通じてフィリピンでの社会貢献を目指している佐和空彌さん(通称:オムライスお兄さん、クヤ・オムライス)も登場し、オムライスのライブクッキングで会場を盛りあげました。
4 自治体のPRについて
今回、日本からは北海道、静岡県、名古屋市、和歌山県、沖縄県、関西観光本部、東奈良名張ツーリズム・マーケティング等がブースを出展し、観光PRを実施しました。
継続的にTTEに出展している自治体によるとフィリピンからの訪日観光客数も増え、当初旅行博に出展していたころよりも詳細な質問をする来場者が増えたそうです。また、北海道ではフイルムコミッションで北海道を舞台にした映画がフィリピンで公開されたことからロケ地巡りに訪れる観光客が増えたとのことでした。
5 今後のフィリピン市場の動向について
フィリピンからの訪日客数は近年急速に伸びてきており、その増加率は毎年約20%、増加人数も毎年約10万人と非常に高い数字で推移しています(JNTO調査より)。現在、フィリピンの年間訪日旅行客数は約61万人で、東南アジアではタイ(約132万人)に次ぐ第2位となっています。
訪日客数の伸びと東南アジアではインドネシアに次ぐ人口規模(1億人超)を加味すると、まだまだ伸び代のある非常に魅力的な市場と考えられます。
フィリピンの方は伝統的なものよりも、新しいものを好む傾向が強いそうです。VJブースに来場した方も、寺院や歴史的な街並みには反応が薄く、一方でテーマパークやロボットが接客するカフェなどに強い関心を示す傾向を感じました。
当事務所では、引き続きASEAN諸国の訪日旅行市場最新情報を収集し、関係機関とも連携しながら地域の魅力を発信していきます。