高知県シンガポール事務所が、シンガポールで寿司店を運営する地元企業Sakae Holdingsとシンガポールの旅行代理店Royal Wings Travelの二社と連携して、高知県の食材を使った料理を実際に楽しみつつ、高知県へのバーチャルツアーを楽しむ、オンラインとオフラインのハイブリッド企画を2021年2月8日に実施しました。クレアシンガポール事務所ではこのイベントを取材しましたので、その様子を報告します。
高知県シンガポール事務所では観光と食材等の輸出強化に取り組んでいることから、地元産食材をシンガポールで実際に堪能してもらいながら、新型コロナウイルスの影響で実際に訪問ができない観光はバーチャルツアーで体験してもらうイベントを企画した二社と高知県事務所が連携する形で開催されました。
シンガポールでは、新型コロナウイルスの影響で旅行商品の販売が難しいことからバーチャルツアーが積極的に販売されており、Royal Wings Travelではこれまで世界10カ国を巡る企画を30本実施してきたことから、高知県としてもその流れに乗りつつ、コロナ収束後の高知県訪問も見据えた企画内容となっています。
Sakae Holdingsを会場に開催されたイベントは、シンガポールの規則に沿い、24人の参加者を8人ずつ3つのグループに分けて実施されました。高知県シンガポール事務所の浅井孝則副所長とシンガポールのラジオDJが会を進行し、高知県の概要や観光名所を説明した後、バーチャルツアーの合間には参加者に振舞われたサラダやお茶漬け、デザート等6品の料理について解説を行いました。なお、これらの料理はSakae Holdingsのシェフがこの日のために創作したオリジナルメニューで、全ての料理に高知県産のゆずが使用されました。
オフラインイベントの会場で放映されたバーチャルツアーは、高知県観光コンベンション協会職員がJR四国の土佐久礼駅周辺の商店街等から中継。魚屋さんが買ったばかりの魚を調理してくれたり、酒蔵で購入した日本酒を海が見える展望台で味わったりするなど、今の高知県を満喫できる内容となっていました。
主催した二社は、今回のイベントのように旅行を疑似体験しながら、実際に現地の料理を楽しむ商品を企画しており、第1弾として2月27日に高知県をテーマに、自宅に配達された高知県産食材を使った弁当を食べながら、バーチャルツアーを楽しむ商品の販売を予定しています。
また、Royal Wings Travelでは3月21日に「高知県トラベル&フードフェア」のオンライン開催も企画しており、1日かけて県内各地を結んだオンラインイベントを計画しているとのことです。
シンガポールは政府の新型コロナウイルスに関する規制が厳しく、実際に人が集まるイベントを開催することはかなり難しい状況です。その中で今回高知県が地元民間企業と連携して実施したこの企画は、政府の規制をクリアし、かつ参加者が楽しめる内容に工夫されていました。オンラインイベントが飽和状態となるなか、実際の体験と組み合わせることの魅力と可能性を肌で感じることができました。
(今井所長補佐 北海道池田町派遣)