2017年6月10日から6月17日にかけて、当協会福川参与を団長として、インドネシア及びフィリピンで、両国大使館や関係機関等を訪問し、JETプログラムの元参加者の会であるJETAAの設立に向けた協議やJETプログラムの広報を行いました。
JETAAは、『JET Programme Alumni Association』の略称で、JETプログラム参加者が任期終了後も引き続き日本と母国との架け橋として活動する任意団体です。現在、世界16ヵ国に53の支部があり、2万4千人以上が参加しています。
JETAAは、それぞれの国で開催される観光イベント等へ参加・協力し、日本各地の情報発信を行っています。また、自らイベントを企画・運営し、交流会やおまつりの開催、文化体験を通じた日本文化の紹介などを行っています。
クレアでは、国際交流事業に従事した貴重な知日・親日派人材であるJET参加者とJETプログラムの任期終了後もさらなる連携が図れるよう、JETAAの立上げを支援し、こうした活動に対してサポートしています。
インドネシアは近年経済成長が著しく、都市部を中心に生活水準が急速に高まっていることを背景に、市場としての魅力が高まり訪日観光誘客をターゲットとして自治体の注目が集まっており、JET-CIR(国際交流員)の活用も増加傾向にあります。
また、フィリピンは2016年からJETプログラムの英語圏に認定され、同年28人が参加するなど今後も同国からALT(外国語指導助手)としての参加が多数見込まれます。
このように参加者数が増える両国において、今後帰国する元JET参加者が引き続いて両国と日本及びその地域との架け橋として活躍していくためには、組織化されたJETAAが必要です。両国とも現時点で元JET参加者は多くありませんが、「小さく生んで大きく育てる」趣旨から、クレアでは今後帰国するJET参加者の受け皿としてJETAAの設立を目指しています。
JETAAの設立にあたっては、現地大使館の協力が必要不可欠であるため、両国大使館を訪問し、JETAA設立について両国大使と協議を行いました。
両国大使とも、JET人材が日本の外交面で重要な役割を果たしている貴重な「人財」であるという認識のもと、クレアと連携してJETAAまたはその準備会の設立を支援することで合意しました。
フィリピンにおいては本年度中の立上げを目指す一方で、インドネシアにおいては、2018年が日本とインドネシアとの国交樹立60周年に当たるため、両国の絆の象徴として同年にJETAAの設立を目指すこととなりました。
高知市は1997年にスラバヤ市と姉妹都市提携を行い、翌1998年より継続してスラバヤ市出身のCIRを活用しており、現在高知市で勤務するCIRが5代目になります。
スラバヤでは、これまで高知市でJET-CIRとして活躍した3名の元JET参加者と面談を行いました。
3名は、JETプログラムの任期が終了した後も、現地の高校で日本語教師を勤めたり、日本語教室で言語や文化について教えたり、日本と貿易を行っている企業に勤めたりと、引き続き日本と母国との架け橋として活躍しています。
また、両市の姉妹都市提携をきっかけとして、2003年の「日本・ASEAN交流年」記念事業として、「スラバヤよさこい祭り」が開催され、以降、毎年、スラバヤ市民の年中行事として開催されています。そこで、元JET参加者が審査員として参加したり、高知をPRしたりしています。
このように高知市とスラバヤ市は非常に良好な姉妹都市交流を続けており、その架け橋として元JET-CIRが重要な役割を担っています。
JETプログラムの参加者は年々増加傾向にあり、より優秀な人材に応募していただくために、インドネシア大学及びフィリピン大学で広報を行いました。
また、日本でALTやCIRとして活躍した優秀なJET人材について、両国の日系企業や商工団体に対してPRを行いました。JETプログラムでの業務内容や得られる経験などについて説明を行い、JETプログラムをキャリアとして高く評価していただきました。また、JET人材に非常に高い関心を寄せていただいた企業もあり、JETプログラムの任期終了後のキャリア支援についても今後注力する必要があります。
このように、クレアではJETプログラムの入口と出口部分の広報を各方面に対してしっかりと行うことで、JETプログラム全体の魅力を高め、より多くの優秀な人材の参加を募り、日本の地方自治体で活躍していただくように努めています。
インドネシア各地の日本在外公館や日本人会、政府関連機関の代表が一堂に会し、日尼間の今後の協力関係や課題を話し合う「インドネシアオール・ジャパン会議」が開催され、クレアシンガポール事務所長も出席する機会を得ました。
会議では翌年の日尼国交樹立60周年に向け、今一度日本とインドネシアの友好関係を確認するともに、両国のさらなる発展・交流人口の拡大を目指すことを目的とした周年行事の開催などについて話し合われました。
様々な地域で関連行事が行われ、自治体の参加も検討されており、インドネシア中で注目されるイベントを舞台に、同国で効果的なPRが実施できそうです。
クレアでは2018年の日尼国交樹立60周年に係るイベントについて今後も情報提供を行っていきます。