2018年10月16日(水)に、愛知名古屋MICE推進協議会がシンガポールを訪問し、JNTO主催のJAPAN MICEセミナーに出席しました。日本へのMICE旅行誘致拡大を図るため、現地の訪日MICE旅行取扱旅行業者(シンガポール側バイヤー)との商談会を実施する場が提供されました。
1 プレゼンテーション
Ion Orchard 56階のION SKYの非日常的な空間において、日本側の出展者(セラー)である、自治体・コンベンションビューロー及び訪日観光関連事業者から、英語でのプレゼンテーションが行われました。各プレゼンターは、地域のMICE会場や宿泊ホテルの魅力、利便性及び優位性を、迫力のある映像と音響とともにアピールする一方、アフターMICEで楽しむことのできる、その地域の特色を活かした観光コンテンツを紹介していました。
2 商談会
続いての商談会では、バイヤーが興味のあるセラーブースに自由にアプローチ可能な、セラー側固定型の自由商談形式が採られました。1セッション15分間の商談時間が設定されていましたが、ブース移動の合図があっても、セッションが盛り上がり、席を離れないバイヤーも見受けられました。
愛知名古屋MICE推進協議会のブースにも多くのバイヤーが訪れました。国内初の空港隣接の愛知県国際展示場(来年9月に完成予定)や、総木曽檜づくりの能舞台がある「名古屋能楽堂」を始めとするユニークベニュー、中部国際空港セントレアに新たに誕生したボーイング787初号機の展示をメインとした複合商業施設「フライト・オブ・ドリームズ」に対しては、収容人数や利用料金を何度も質問されるなど、バイヤーから強い興味が示されました。
3 所感
MICE市場は、その地域に巨大な利益をもたらす可能性がある一方で、会場、ホテル、観光コンテンツは、どの国・地域にもあり、「他との違い」を明確にアピール出来なければ、誰からも見向きもされない非常に厳しい市場です。今回のセミナーでは、ハード的に劣っていても、見せ方を工夫することで、バイヤーの興味をうまく引いている場面を見ることができました。伝えたいこと、強みをフォーカスして表現していたプレゼンテーションは、必ずしも英語自体がうまくなくても、明らかにバイヤーから良い反応を得ていました。海外では小学校低学年からプレゼンテーションの授業が行われるなど、「伝える力」が高く評価されます。せっかくの素晴らしいコンテンツを効果的に伝えるためには、「英語でプレゼンテーションをした」だけで終わらせず、ハード整備と同様に、「伝える力」も整備することが求められています。