2021年9月28日(火)、クレアシンガポール事務所は、マレーシアで唯一公共政策大学院を有するマレーシア北大学の学生・教授を対象に、オンラインでのセミナーを開催しました。本セミナーは、これまでに計4回開催されましたが、コロナ禍の影響もあり、2018年度以降開催されていなかったところ、カウンターパートである同大学行政学部地方自治研究センターの協力を得て、初めてオンラインで開催されました。例年は30名程度の参加ですが、今回はオンライン開催ということもあり、常時80名ほどの学生や教授が参加し、最も多いときには90名を超える方々に参加いただきました。
このセミナーは、当事務所の職員自身による派遣元自治体のベストプラクティス等についてのプレゼンテーションや学生・教授との意見交換、あるいは同大学教授によるマレーシアに関するプレゼンテーションを通じて、日本及びマレーシアの地方自治についての理解を深めるとともに、マレーシアの人々との交流を通じた職員の英語能力や国際的な資質の向上を目的としています。
当事務所からは、新型コロナウイルスに対する取り組みを中心に、4名の職員がそれぞれの派遣元自治体のベストプラクティス、「気候変動に対する取り組み」(山口県)、「コロナ禍での外国人住民への支援」(栃木県小山市)、「コロナ禍での七夕祭りの開催」(愛知県一宮市)、「日本政府の新型コロナウイルスに対する取り組み」について、英語によるプレゼンテーションを行いました。時折発表中にオンライン会議プラットフォームのツールを用いて、驚きや喜びなどのリアクションしてくれる参加者もおり、質疑応答ではどの発表者に対しても多くの質問が投げかけられ、日本政府や地方自治体の取り組みに対する高い関心が窺えました。「日本政府はコロナ禍での国民に対する外出制限について罰則は設けていないにもかかわらず、どのようにして人々を規制に従わせているのか」といった、難しい質問もいくつかありましたが、職員が自らの知識や経験を踏まえて真摯に回答していました。その他にも、「東日本大震災の被災地の復興状況を知りたい」との質問も寄せられ、クレア東京本部HPの「A Message about Fukushima」や、福島県の国際交流員が実施しているSNSプロジェクト「Fukushima Today」を紹介しました。
また、このセミナーには、2019年度に実施された海外自治体幹部交流協力セミナーに参加された、同大学の行政学部長であるHalimah Abdul Manaf教授にもご参加いただき、マレーシアの地方自治制度について講演いただきました。
今回の大学セミナーでは、大学側から今後もさらに連携を強化していきたいとの提案がありました。シンガポール事務所では、今後もこうした活動を通して、ASEAN及びインド、スリランカの関係機関とのネットワークの構築・強化に努め、日本の自治体の海外活動へつなげてまいります。