クレアシンガポール事務所は、フィリピン大学ロスバニョス校(University of the Philippines Los Baños)において、日本の地方自治セミナーを開催しました。
このセミナーは、所員の派遣元自治体におけるベストプラクティスについてのプレゼンテーションやディスカッションを通じて、日本とフィリピンの行政システム等への理解を深めることと、当事務所職員の英語能力の向上や国際的感覚を習得することを目的としたものです。
昨年に引き続き、今年もセミナーに協力いただいたフィリピン大学は、1908年にフィリピン最初の国立高等教育機関として創設された総合大学で、ロスバニョス校は、マニラ市内からやや離れたラグーナ市にある、農業を専門としたブランチ校です。同校は、緑豊かなキャンパスを有し、農学部、獣医学部などを中心に、約13,000人の生徒が在籍しています。また、名古屋大学のサテライトキャンパスもあり、東京農業大学や同志社大学などと交換留学制度を持つなど、日本の大学とも連携の深い大学です。
今回のセミナーには経済学部の学生及び大学院生約40名と教授・講師ら約6名の方に参加していただきました。
1 シンガポール事務所職員によるプレゼンテーション
当事務所の職員4名が、フィリピンの政治経済情勢に照らして参考になるような、各派遣元の施策等についてトピックの選定を行い、それぞれ「マイナンバー制度の可能性」、「防災対策」、「教育制度改革」、「エコと渋滞緩和に向けた交通施策」をテーマに、英語によるプレゼンテーションを行いました。参加者は真剣な面持ちで、メモを取り、時にはスクリーンに投影された資料を撮影するなど、熱心に聴講していたのが印象的でした。
2 シンガポール事務所職員と学生によるグループディスカッション
ディスカッションでは、職員が発表したプレゼンテーションの内容を中心に質疑が行われ、「災害が発生した際に復旧までどのくらいの期間が必要か」「フィリピンでは公共交通を利用すると時間が3倍かかってしまう現状だが、今後に向けて渋滞解消の解決策を提案してほしい」など日本の地方行政の施策について、様々な質問が出ていました。
学生からの鋭い質問に対して、職員も自らの知識や経験を踏まえて熱心かつ丁寧に英語で答え、学生と活発な意見交換を行いました。
3 今後の交流について
今回の大学セミナーの実施に当たって、大学側からは、今後も継続的な交流を行っていきたいとの提案がありました。シンガポール事務所ではこのような活動を通して、今後も日本の自治体の取組や魅力を発信するとともに、所管国とのより一層のネットワークの構築と強化に努めてまいります。