【シンガポール事務所】シンガポール民間防衛隊の主催セミナー「Workplan Seminar 2024」に参加

 2024年7月4日、シンガポール民間防衛隊(Singapore Civil Defence Force: SCDF(※1))の主
催により、Workplan Seminar 2024がNgee Ann Polytechnic Convention Centerにて開催されました。
「予期せぬ事態にも備える」と題された今回のセミナーでは、SCDFが課題を克服するためパートナー
やコミュニティと連携し、備える様子を聞くことができました。また、担当大臣のスピーチでは、例
として以下のような取り組みが紹介されました。

・救命活動を行う消防士等の呼吸器内に残っている空気量など、消防士の命に係わるデータをリアル
タイムで送信する機能を備えた新世代の呼吸装置が、今年10月から段階的に配備される予定である。
この装置は消防士の動きが検知されない場合にアラームを自動的に鳴らし、救命活動を監視する隊員
にも警告を送信する。これは、消防士が困難に遭遇し、脱出したり助けを呼んだりすることができな
い状況を防ぐ役割がある。

・救急医療サービスの要請件数は2019年に20万件未満であったが、2023 年には約 25 万件となり、
過去5年間で30%程度増加している。そこで、救急車の対応範囲を拡大するため、2024年第4四半期から
試験的に、救急医療担当者のための可動式待機所(Dynamic Deployment Pods:DDP(※2))を島内
に設置する。

・現在、シンガポールの救急車は消防署、消防駐在所、コミュニティセンターから出動しているが、
今後は簡易的に移動できるDDPを併用することにより、地域ごとに異なる救急医療サービスの需要に対し、
救急車及び救急医療担当者の効率的な配備が期待できる。

 さらに、セミナー会場ではSCDFの装備や機材等の展示が行われ、実際に試乗・体験することもできま
した。そのような中、筆者が特に気になった展示は、捜索救助活動の強化および隊員の被害軽減のため、
小型の昆虫に赤外線カメラやセンサーなどを搭載したハイブリットロボットです。後日、シンガポール
南洋理工大学で当該研究を行っている佐藤裕崇教授を訪問し、捜索救助活動に昆虫を活用するというア
イデアや、研究を人命救助に役立てるという考えを聞くことができました。
 クレアシンガポール事務所では今後もこのようなセミナー等に積極的に参加し、各国の最新情報を発
信してまいります。
※1 SCDF:シンガポール内務省傘下の消防・救助・緊急医療サービス等を行う組織
※2 DDP :内装が施されたコンテナハウスのイメージであり、救急医療サービス担当者が待機・休憩できる施設
                   シンガポール事務所 所長補佐 宮田
<参考文献・引用文献>
・SCDFワークプランセミナー2024スピーチ
https://a16.hm-f.jp/cc.php?t=M650676&c=52219&d=a05a
・SCDFワークプランセミナー2024
https://a16.hm-f.jp/cc.php?t=M650677&c=52219&d=a05a
・シンガポールの政策
https://a16.hm-f.jp/cc.php?t=M650678&c=52219&d=a05a
・昆虫ハイブリッドロボットで人命救助
https://a16.hm-f.jp/cc.php?t=M650679&c=52219&d=a05a
・シンガポール南洋理工大学 佐藤裕崇教授研究室ホームページ
https://a16.hm-f.jp/cc.php?t=M650680&c=52219&d=a05a