シンガポールは教育熱心な国であることをご存じでしょうか。東京23区ほどの大きさしかないシンガポー ルは資源に乏しいため、建国以来、「人材こそ最大の資源」という国家観に基づいたエリート育成教育を行っています。
学校教育の各段階(小学校4年生の終わり、小学校卒業時、中学校卒業時、高校卒業時)で、生徒の能力に応じて選別するための試験が行われ、厳しい競争を勝ち抜いた生徒が現地の大学に進学します。シンガポ ールには現在6つの大学があり、2014年の大学進学率は28%と他の先進国と比して高いとは言えません。これには、大学の乱立による教育レベルの低下を防止するという目的があります。このシステムによりシンガポールではエリートが育ち、更に2言語(英語・母国語)教育によるバイリン ガルであることも加わって、シンガポールは優秀な人材の宝庫として世界中から注目を集めています。一部のエリート官僚や有名企業社員の年収は1億円を超えるとも言われています。そのため、子供を持つ親も教育熱心で、幼稚園から進学塾に通わせたり、選別試験の準備のために休職し たりすることも珍しいことではありません。
(シンガポール事務所 松田所長補佐)