カンボジアは1970年代から1993年まで続いた内戦により、多くの人命が失われ、人口構成や男女比に大きな格差があります。そして、どの時代においてもカンボジアの経済を根底から支えてきたのは女性たちでした。
しかし、文化的・社会的・伝統的につくられた男性優位社会における性別役割分業等により抑圧され、女性たちは未だに社会の底辺に追いやられている現状があります。
女性に教育を施し、地位の向上と経済的自立を目的とする取組が、海外からの協力を得ながら女性省を中心として1996年から始まりました。
しかし、実際は、全てが外国からの援助頼みであり、「援助慣れ」してしまっているカンボジアの姿が、その取組を支援している関係者の間に、徐々に感じられるようになってきました。
カンボジアのジェンダー政策について、調査すればするほど、本当の意味の支援、自立、人権とは何かという別の課題が与えられたように思います。
日本でも様々な状況に置かれた女性が、自らの希望を実現し、より輝くことにより、経済成長を促すという認識のもと、政府を中心に女性の活躍促進のための取組が広がっています。
ASEANの国々の女性の地位向上と経済的自立に対する取組や政策と、日本が今まで行ってきた取組や政策を比較検証することで、お互いに影響を与え合いながら、やがて国を超えジェンダーの区別がない、より良い社会につながると確信しています。
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(シンガポール事務所 堀江所長補佐)