2016年10月13日、タイのプミポン国王が逝去されました。現在、タイ国内は、国を挙げての服喪期間となっています。国民は黒または白の衣服を着用して日常生活を過ごしており、タイを訪問する観光客に対しても、タイ観光スポーツ省は、公共の場で、地味で敬意のある服装を着用することを推奨しています。
国王逝去から約1ヶ月半が経ち、タイ政府は、通常のテレビ放送再開を承認したり、伝統的行事や祝祭行事等の再開を許可したりしていますが、今後の国内の消費市場や観光業界での自粛ムードはしばらく続くとみられています。タイの盤谷(バンコク)日本人商工会議所は、11月11日(金)に発表した「プミポン国王崩御に関する第4回緊急ヒアリング調査結果」で、今後の見通しについて、12月5日の国王誕生日以降か、あるいは崩御後100日を超える来年2~3月ごろまでか、消費回復には一定の期間が必要と伝えています。 国王逝去の報は、現在軍事政権であるタイの民政復帰にも大きな影響を与えるのではないかとみられていました。
しかし、政府は新憲法公布を計画通り進めると強調し、それを実行に移しています。現在、タイでは新憲法草案が国王首席秘書官事務局に提出されており、また、ワチラロンコン皇太子が12月1日に 新国王に即位したところであり、報道では、順調に行けば新憲法は新国王の承認を受けて来年早々に公布する予定と伝えられています。国民に深く敬愛されていたプミポン国王の逝去は、タイ国内にどのような影響を及ぼすのか、今後の動きに全世界の注目が集まります。
(シンガポール事務所所長補佐 押川)