2019年11月30日、12月1日に行われるシンガポールマラソンは、2018年には127の国と地域から約4万6,000人が参加したアジア最大級のマラソン大会です。
「世界6大マラソン」とも呼ばれる世界最高峰のマラソンシリーズ、AbbottWMM(Abbott World Marathon Majors)がその枠を拡大し、現在の開催地である欧米や日本以外のレースを新たに対象とすることから、シンガポールマラソンは2021年より同シリーズへの加入を目指しています。
世界的な知名度のあるAbbottWMM加入により国民のスポーツ参加意欲の向上、健康なライフスタイルの推進を目指すほか、2018年のシンガポールマラソン参加者のうち約2万人が国外からの参加者だったこともあり、さらなる参加者と経済効果が見込まれます。
シリーズへの加入に向け、AbbottWMMが定める基準に対応するための取り組みも着々と行われています。今年はレースのスタート時間をそれまでの午前4時半から午後6時に変更することを発表しました。早朝スタートでは時間が経過するにつれてランナーにとって過酷な環境になることへの反省と、沿道での応援をより盛り上げようという狙いがあるそうです。
また、大会を通じての都市交流にも積極的に取り組んでいます。2019年7月12日、シンガポールマラソンの運営会社と静岡県島田市の「しまだ大井川マラソンinリバティ」が姉妹レースとしての協定締結を発表しました。協定には優秀選手を2020年度の大会に相互に派遣することや、双方の大会で相手先のイベントへの参加を促すPRを行うことが盛り込まれており、日本のマラソン大会としては初めての提携先となりました。
シンガポールでも年齢、性別を問わずジョギングは人気のスポーツで、マリーナベイサンズ周辺を走っているランナーをよく見かけます。マラソン大会などのランニングイベントもほぼ毎週行われており、ランナー情報サイトには近隣諸国のマラソン大会情報だけでなく、日本のマラソン大会の情報も掲載されています。
訪日に特別なものを求めているリピーター層のシンガポーリアンに対し、スポーツと絡めたインバウンドの手法にも今後注目が集まります。日本ではマラソンは秋~冬のイメージですがシンガポールは一年中暑いため、寒い中で走る!というだけでも貴重な体験になるかもしれません。
シンガポール事務所 所長補佐 小原