コロナ禍において、世界でフードデリバリーの利用者が増加傾向にある中、シンガポールでも便利なフードデリバリーが注目されています。シンガポールではとくに配車サービスから発展した「グラブフード(GrabFood)」や、食材や日用品も配達可能な「フードパンダ(foodpanda)」、欧州発の「デリバルー(deliveroo)」などが人気を集めています。特に、4月7日から6月1日に実施された部分的ロックダウン「サーキットブレーカー」の期間中はフードデリバリーの利用が大幅に増加し、あるレストランでは、これまで収益の1%未満であったフードデリバリーが、平均月間収益の約60%まで拡大したそうです。
ここ数ヶ月間、シンガポールの新型コロナウイルス市中感染者数は1桁台が続いていますが、ある調査では、サーキットブレーカー明けにおいても、レストラン顧客の5人に3人以上がテイクアウトまたはフードデリバリーを注文しているという結果が出ており、前述のレストランでは現在も月間収益の約25~30%がフードデリバリーであるとのことです。
また現在、海外からの渡航者の多くはホテルや自宅にて隔離措置を受ける必要があり、外に出ず飲食店の料理が注文できるフードデリバリーは必要不可欠なものとなっています。今年7月に私たちがシンガポールへ赴任した際も、2週間のホテル隔離期間中、毎日フードデリバリーを利用しましたが、アプリ内で簡単に注文・支払いができ、注文後20分~1時間程度で、中身の崩れもほぼなく、温かい状態で滞在先まで届けられました。隔離期間中は外出ができず、行動がかなり限られていたため、フードデリバリーで頼む食事が1日の中で1番の楽しみでした。
前述したサーキットブレーカー中は高級レストランも店内飲食が出来なかったため、普段はフードデリバリーを行わないレストランも、新規でデリバリーを開始したことがシンガポーリアンの間で好評でした。
もともとシンガポールは、日本に比べ自宅で料理をする人が少なく、「外食文化」と言われていることから、withコロナ時代のフードデリバリーの飛躍に今後も注目していきます。
シンガポール事務所所長補佐 尾崎